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私の愛聴盤(第11回)

2013-04-19 | 私の愛聴盤
第11回は「アート・テイタム ~ ベン・ウェブスター・カルテット」です。

ピアニストのアート・テイタムと、テナー・サックス奏者のベン・ウェブスターの生年月日と、出身地は、
アート・テイタム    1909年10月13日 - 1956年11月 5日 (オハイオ州 トレド) 
ベン・ウェブスター  1909年 3月27日 - 1973年 9月20日 (ミズーリ州 カンサス)

アート・テイタムはテクニックに優れていて、ジャズ・ピアノの可能性を著しく広げたことから、多くのミュージシャンに尊敬されています。
初レコーディングは1933年で、4曲のピアノ・ソロが残されています。
彼の流れを汲むピアニストの筆頭は、オスカー・ピーターソンです。

一方のベン・ウェブスターは1932年にNYに出てた後、1939年にデューク・エリントン楽団に参加し、晩年はヨーロッパに渡りオランダで亡くなっています。
コールマン・ホーキンス、レスター・ヤングと共にそれぞれ特徴を持った奏者の一人でした。

今回紹介する愛聴盤を最初に聴いたのは、私がジャズを聴き始めた初期のころに、ポリドール・レコードから発売されたダブル・ジャケットのLPでした。
レコードが増えるにつれ収納場所に困ってきた時に、運よく(?)CDが発売となったことで、LPを処分しCDを購入しましたが、LP時代に7曲だったものが、ボーナス・トラックの追加で10曲となり、曲順も入れ替わっていました。
またジャケットの絵柄も写真に変ってしまい、最初に購入した当時の記憶とは全く異質のものになってしまいました。
その後、米国PABLOや、日本ビクターからもLPで再発されましたが、CD同様の写真のジャケットでした。

昨年(2012)になって、米国のWax Time Recordsからオリジナル図柄のLPが発売になったので、早速購入しました。
図柄はただ同じような「絵」であるだけで、「再発」ということから致しかたないとは思いましたが、曲目は7曲に戻ったものの、曲順がオリジナル盤とは違うため、どうしても納得がいきませんでした。
そんなこともあり、せっかく購入したCDも、LPも購入後に聴く機会は殆ど無くなっていました。

そして昨年暮れの12月31日に年末最後のセールがあり、お目当てのLPを目指して朝早くから並びましたが、結局目的のものは他の人に渡ってしまい、私の目の前に残ったのが、正真正銘の今回のオリジナル盤でした。
最初のLPを処分した後、何とか最初の記憶通りに聴いてみたいと思っていたところに現れたオリジナル盤…
中古とはいえ、過去に購入したことがない値段が付いていました。
確かにジャケットも、盤も、良いコンデションでしたが…
「いち・じゅう・ひゃく・せん…」、もう一度、「イチ・ジュウ・ヒャク・セン…」と数え…
勢いとは恐ろしいものです。
その後、躊躇なくゲットしてしまいました。

ということで上記で記述した逆の順に、ジャケットを紹介します。

このオリジナル盤は、カルテットを示す「4」の文字が、さりげなく写っていて、こういうところにも価値が見いだせます。
右端は1961年に最初に国内発売された時のSJ誌に掲載された油井正一さんの批評で、オリジナル盤と同じ曲順になっています。
「THE ART TATUM ・ BEN WEBSTER QUARTET」(VERVE MGV - 8220)
   
[ A ] 面
1. ALL THE THINGS YOU ARE
2. MY ONE AND ONLY LOVE
3. MY IDEAL
[ B ] 面
1. GONE WITH THE WIND
2. HAVE YOU MET MISS JONES
3. NIGHT AND DAY
4. WHERE OR WHEN
ART TATUM(p) BEN WEBSTER(ts) RED CALLENDER(b) BILL DOUGLASS(ds) 
録音 1956年9月11日

2012年に Wax Time 社から発売されたLP盤
裏面には DDM (Direct Metal Mastering)と記載されています。
   

レーベルがヴァーブからパブロに移った後、日本ビクターから発売になった Xrcd
2人の解説書がありましたので添付しますが、CDに入っている曲目は白い紙のほうです。
  

レコードの曲順について、ある講演会会場で、元ソニーのプロデューサーである伊藤八十八さんから、一番重要な曲をA面の最初に、次はB面の最初に配置するという話を聞いたことを思いだしました。
ということは、このレコードの場合、1番がオール・ザ・シングス・ユー・アーで、2番は風と共に去りぬ(マーガレット・ミッチェルの有名な小説のタイトルとは違います)ということになります。
こうして改めて聴いてみると、アルバムに並んでいる曲順は重要な要素です。

このアルバムは小さい音量でも違和感なく聴くことができるので、疲れている時や、何も考えずにただ「音」に入りたい時にも掛けることができる、うってつけの1枚です。

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