あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

このページを活用し趣味や日々のことなどを中心に報告しています。

私の愛聴盤(第185回)(レロイ・ヴィネガー)

2023-12-17 | 私の愛聴盤
第185回はレロイ・ヴィネガーの「Walk」に関連する曲を集めたアルバムです。

「LEROY WALKS!」 STEREO S 7003
  
1. WALK ON
2. WOULD YOU LIKE TO TAKE A WALK
3. ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET
4. WALKIN'
5. WALKIN' MY BABY BACK HOME
6. I'LL WALK ALONE
7. WALKIN' BY THE RIVER
LEROY VINNEGAR (b) VICTOR FELDMAN (vib) GERALD WILSON (tp)
TEDDY EDWARDS (ts) CARL PERKINS (p) TONY BAZLEY (ds)
録音 1957年7月15日、9月16,23日

これはベーシストのリーダー・アルバムですが、ヴィブラフォンが入ったことで非常に洗練されたサウンドが心地いい演奏集です。
そして、聴きどころは、リーダーの確実で端正なベース音と、ヴィクター・フェルドマンによるアレンジで、特に1曲目の「WALK ON」と3曲目の「ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET」は演奏時間も長く、アレンジの妙をたっぷりと味わうことが出来ます。

その「WALK ON」は、リーダーのレロイ・ヴィネガー自身の作曲によるもので、バウンスするベースのビートをバックに全員によるテーマが演奏され、続いてテナーサックス、ヴィブラフォン、ミュート・トランペット、ピアノが順次軽快なアドリブを披露し、最後はベースがソロを取って(と言ってもコード進行に沿って歩くように4つを刻むだけですが)、最後はベースと残りのメンバーによる4バースという珍しい組み合わせを経てテーマに戻っています。
そして、軽快なテンポで演奏される「ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET」は、管楽器が入って華やかであり、ドラムスを含め全員が順次ソロを取っています。

「WOULD YOU LIKE TO TAKE A WALK」はホーンを除いての演奏で、ヴィブラフォンのファンによる残響とベースの調和が美しく、続くカール・パーキンスも粋なピアノ・ソロを披露してくれます。
なお、演奏途中でヴィブラフォンから瞬時にピアノに代わることから、後からの被せ録音かも知れません。
「WALKIN’」はテーマの後、ピアノ、ミュート・トランペット、ヴィブラフォン、テナーサックスの順でソロのリレーが行われますが、この間裏方で支えていたベースがそのまま4ビートのウォーキングでソロを取った後テーマに戻っています。
「I'LL WALK ALONE」もホーンを除いた形での演奏で、冒頭からヴィネガーのベースがソロを取る形で進行し、それにヴィブラフォンとピアノが加わりますが、後半はやはり4ビートによるベース・ソロとなりますが、淡々とした演奏にも関わらず味があります。
最終曲の「WALKIN' BY THE RIVER」は、アップ・テンポの曲ですが、ゴツゴツした感じのアドリブを取るテナーサックスのテデイ・エドワーズと、ヴィブラフォンとピアノを交互に使い分けながらアドリブを展開するフェルドマンと、リーダーのベース・ソロが印象的な1曲です。

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私の愛聴盤(第184回)

2023-11-19 | 私の愛聴盤
第184回はリチャード(リッチー)・バイラークのECMレーベルにおけるタイトルの頭文字が共に「E」の2作品です。

1枚目は、リッチー・バイラークが27歳の時にレコーディングした最初のリーダー・アルバムで、硬質な響きを持つバイラークのピアノと、ビートの利いた音で迫るフランク・ツゥサの対比を随所に聞くことができます。

「EON」 ECM 1054 ST
  
1. NARDIS
2. PLACES
3. SEEING YOU
4. EON
5. BONES
6. MITSUKU
RICHARD BEIRACH (p) FRANK TUSA (b) JEFF WILLIAMS (ds)
録音 1974年11月

収録されている6曲の内、後半3曲がリッチー・バイラークの作品です。
1曲目のマイルス・デイビスの「NARDIS」は、12分にも及ぶ熱演となっていて、長いイントロを経てテーマが現れますが、バイラークのクリスタル的な音に絡んでくるフランク・ツゥサのベースが絶妙で、後半でロング・ソロを取るジェフ・ウイリアムスのソロを経てテーマに戻るという展開となっています。
同じピアノ・トリオのビル・エヴァンスのそれと比較して見てもこの演奏のインパクトは大きいです。
2曲目は、デイヴ・リーブマン作の耽美的なバラードですが、これをピアノ・ソロでじっくり聞かせてくれます。
3曲目はフランク・トゥサとバイラークの共作で、どこか懐かしいメロディが聴けるECMらしい演奏です。
アルバム・タイトルにもなっている「EON」は、ピアノが美しい響きを奏でるミディアム・テンポで、続く「BONES」はアップ・テンポの激しい曲で、いずれも3人が上手く融合しています。
最終曲の「MITSUKU」は、これまでの5曲とは異なった雰囲気を持ったエキゾチックな曲で、中間部でソロを取るトゥサにもスポットが与えられており、また、エンディングの纏め方はいかにもこれで演奏が終わりという印象を与えてくれます。


続いては、全曲ソロで構成された「Hubris」に続くECMレーベルへの3作目で、ECMでの最後のリーダー作です。

「ELM」 ECM 1142
  
1. SEA PRIESTESS
2. PENDULUM
3. KI
4. SNOW LEOPARD
5. ELM
RICHARD BEIRACH (p) GEORGE MRAZ (b) JACK DEJOHNETTE (ds)
録音 1979年5月

最初の作品からベースとドラムスが替わったことで、サウンドにも変化が出ていて、どっしりとしたジョージ・ムラーツのベースが演奏に安定感をもたらし、ジャック・ディジョネットの多彩なドラミングが邪魔にならず、上手く纏まっています。
全曲リッチー・バイラークの作品となっていることもあり、アルバムの統一感があります。
1曲目の「SEA PRIESTESS」は大海原を連想させる雄大な曲想で、演奏が徐々に熱気を帯びて行き再び静かに終わるという構成になっています。
2曲目の「PENDULUM」はポール・ブレイの曲想に似ていて、一聴すると彼の演奏のようにも聞こえるし、これに呼応するディジョネットのドラミングと絶妙な間を持ってピッチを刻むムラーツのベースは素晴らしいの一言です。
続く「KI」は、フリー・リズムにおいて、ピアノとベースの対話による小品で、2人の合間を縫ってディジョネットのドラミングが鋭く切り込んでくるというスリルある演奏で、バイラークのピアノの響きがキラキラと輝く名演です。

「SNOW LEOPARD」は、ディジョネットの高速なシンバルレガートからスタートし、これにムラーツのヴァンプなベースが加わって演奏が進行して行きます。
前半は3者による激しいやり取りが続き、中間部ではそのテンポを維持したままベースとドラムスの攻防となりますが、ムラーツはディジョネットの激しいドラミングに触発されてか、いつになく熱くなっているように感じます。
途中フリーの即興演奏を挟んで、後半は豪快で且つ繊細なドラム・ソロを経てミドルテンポによる3人のインタープレイで終演となるこのアルバム一番の演奏です。
一方、タイトルとなっている「ELM」は、ピアノの響きに重点を置いた演奏で、これに絡むベースとドラムスが絶妙な間を取りながら進行して行きますが、中間部でのムラーツの絶妙なソロも聞きどころとなっています。

多くのピアノ・トリオ・アルバムがある中で、このアルバムは、3人の技量を含めピアノ・トリオの現代版として最上位に上げられる作品だと思います。

なお余談ですが、これだけ実力のあるリッチー・バイラークのECM作品が3作のみで終了し、しかもその全てが市場から消えてしまっているのですが、これにはECMのプロデューサーであるマンフレット・アイヒヤーとのあるトラブルから、アイヒヤーがバイラークのリーダー・アルバムと客演参加の音源の全てを廃盤扱いにしてしまったことによるものだそうです。

この2枚を改めて聴いてみて、この素晴らしいECM作品が再び市場に出て、万人に聞いてもらえることが出来ることを願ってやまない一人でもあります。

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私の愛聴盤(第183回)

2023-10-22 | 私の愛聴盤
第183回は渋谷毅のドリームです。

「DREAM」 NADJA (TRIO) PA-7127
  
1. MEMORIES OF YOU (*)
2. ALL THE THINGS YOU ARE (*)
3. PRELUDE TO A KISS
4. MY FUNNY VALENTINE
5. AUTUMN LEAVES
6. BLUES NO.21
7. DREAM - AFTER YOU´VE GONE
渋谷 毅 (p) 松元龍宏 (b) 植松良高 (ds)(*) 浜島純昭 (ds)
録音 1975年6月30日、12月14日 ジャズ・クラブ “パノニカ” 鹿児島

これは、御年83歳となる渋谷毅の30代半ばでの最初のリーダー・アルバムです。
当時から、キャリアは十分であるも決して派手なスタイルのピアニストでは無く、スタンダードの演奏はメロディを大切にしながら淡々とピアノに向かう姿が目に浮かぶようです。
1曲目の「MEMORIES OF YOU」の出だしは、楽器こそい違えベニー・グッドマンの雰囲気が漂う演奏で、エリントンを敬愛しているピアニストでもあることから「PRELUDE TO A KISS」での感情を込めたプレイが素晴らしいです。
また「MY FUNNY VALENTINE」は、ピアノ・ソロでスタートし、サビからはベースとドラムスが加わる展開となっていますが、この演奏もメロディを大事に美しく弾いており、後半ではピアノとベースの対話形式による演奏も聴き所の一つです。

「AUTUMN LEAVES」だけはベースとドラムスのデュオによる演奏で、「SO WHAT」のポール・チェンバースのソロを連想させるイントロを経て、後半で8小節交換があり、「BLUES NO.21」では、ドラムスのプッシュが躍動感を与えています。

最後に収録されている「DREAM - AFTER YOU´VE GONE」は、ピアノ・ソロで演奏されていますが、この情景についてはライナーノートでこのクラブのオーナーである中山信一郎さんが書いていて、渋谷は既にお酒が入った状態での演奏だったようで、何れも1コーラスを弾いた後でフェイドアウトしてしまいます。
そこで、渋谷のピアノ・ソロをもっと聴きたいので、過去に取り上げた彼のCDを取り出して聴き直しています。

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私の愛聴盤(第182回)

2023-09-17 | 私の愛聴盤
第182回は、マックス・ローチがサンフランシスコのジャズ・ワークショップで行ったライブ盤です。

「SPEAK, BROTHER, SPEAK」 fantasy 86007
  
1. SPEAK BROTHER SPEAK
2. A VARIATION
CRIFF JORDAN (ts) MAL WALDRON (p) EDDIE KHAN (b) MAX ROARCH (ds)
録音 1962年10月27日

このアルバムが録音された時期は、マックス・ローチが黒人の自由と解放を求める公民権運動に深くコミットしていた時期であり、アルバムのタイトルは「同士よ、主張せよ!」と、強いメッセージが込められたものになっています。
演奏は、レコードの片面1曲づつのロング・バージョンでありながら、少しもダレること無く、しかも演奏から政治色を感じることはなく、純粋に演奏を楽しめるアルバムとなっています。
タイトル曲の「SPEAK BROTHER SPEAK」は、マックス・ローチの強力なリズムをバックに、クリフ・ジョーダンのテナー・サックスによる力演の後はテンポが3拍子に変わり、マル・ウォルドロンの特徴であるパルス的でリズミックな演奏に変わり、続いてエディ・カーンのベース・ソロへと受け渡され、最後は、マックス・ローチのドラム・ソロで、バス・ドラでのパルスを刻みながら、スネヤ、ハイハット、タムタムを駆使して何時もの変調子によるローチのパターンと成っています。
この曲は、ソロが入れ替わる度に4人のブレイクを挟んでおり、各人の演奏はダレること無く25分があっという間に終了します。

もう一方の「A VARIATION」は、哀愁を持ったメロディの曲で、テナー・サックスによる自由なテンポでテーマが提示され、その後ミディアム・テンポに移って、ピアノ、テナー・サックス、ベース、ドラムスの順にソロが受け渡されます。
演奏の中で、マルのピアノは節々に彼独特のフレーズが出てくるパターンを多用しながら強烈にスイングしているし、ベース・ソロもゴリゴリ・ブンブンと力強く、御大のローチは多彩なリズム・パターンを駆使し打ちまくっていて、レコード両面を通して出番の多いクリフ・ジョーダンのプレイにより演奏が引き締まっています。

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私の愛聴盤(第181回)

2023-09-10 | 私の愛聴盤
私の愛聴盤の第181回は、ウォルフガング・ダウナーのミュージック・ザウンズです。
最初のアルバム「ジャズ・スタジオH.G.B.S. No.1」、そして「DREAM TALK」に続いて発売されたこの「MUSIC ZOUNDS」は、「DREAM TALK」と共にウォルフガング・ダウナーの代表作となるもので、MPSに録音した5枚の中の1枚です。

「MUSIC ZOUNDS」 MPS 15270
  
1. LEAP TICK
2. THE THINGS WE DID LAST SUMMER
3. DIATHYLAMINOATHYL
4. ES LAUFT
5. HEAR COME DE HONEY MAN
6. BLUE LIGHT
7. GOLDEN GREEN
WALFGANG DAUNER (p) EBERHARD WEBER (b)  ROLAND WITTICH (ds)
録音 1970年2月

「LEAP TICK」は、ロックンロール風なリズムを持った曲で、これに旨く乗って軽快なタッチのピアノ・プレイが楽しめる演奏となっており、ベーシストのエバーハルト・ウエバーは、ジャケットの裏面の写真にあるようにフェンダー・ベースで粋なサポートをしています。

「THE THINGS WE DID LAST SUMMER」は、エロール・ガーナー張りのカクテル・ピアノ風に演奏するチグハクさが一服の清涼剤となっています。
「DIATHYLAMINOATHYL」は、一部で鍵盤の響きを止めて、プリペイド・ピアノのようなサウンドを作りながらプレイが進行していきますが、高音部を中心にした部分などはクラシック曲のようでもあり面白い演奏です。
「ES LAUFT」は、時々声を張り上げたりもしながら、右手による早い運指で鍵盤上を行ったり来たりする変わった1曲です。

「 HEAR COME DE HONEY MAN」は、ヨーロッパの雰囲気を持った演奏で、ここでもフェンダー・ベースが旨く調和していて違和感は感じない内容となっています。
「BLUE LIGHT」は、トレモロを多用したイントロから、アドリブに入っては4ビートでオスカー・ピーターソン風に装飾音を多用した演奏に変わり、これをドラムスのブラシが4つをしっかり刻んで演奏を引き締めています。
「 GOLDEN GREEN」もヨーロッパの香りがする中で、シャープでスリリングな演奏で、ピアノの高音部を中心にしたテーマからスタートし、アドリブに入って力強さが増すもその傾向は変わらず、フェンダー・ベースによる伸びやかなソロを挟んでエンディングとなっています。

全体を通しての印象は、多くのミュージシャンの断片が聞こえたり、ピアノの機能を旨く使い様々なパフォーマンスが収録されていて、ダウナーがやりたかったことが詰まっているように思いました。
この録音の後は、ジャズとロックを融合したグループのリーダー的存在で活動していくこととなります。

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私の愛聴盤(第180回)

2023-08-20 | 私の愛聴盤
私の愛聴盤の第180回は、ジョージ・シアリングとウエス・モンゴメリー以下、3人の兄弟との共演盤です。

「GEORGE SHEARING AND THE MONTGOMERY BROTHERS」 JAZZLAND JLP 55
  
 1. LOVE WALKED IN
 2. LOVE FOR SALE
 3. NO HARD FEELINGS
 4. ENCHANTED
 5. STRANGER IN PARADISE(*)
 6. THE LAMP IS LOW (*)
 7. DOUBLE DEAL
 8. AND THEN I WROTE
 9. DARN THAT DREAM
10. LOIS ANN
11. MAMBO IN CHIMES
GEORGE SHEARING (p) WES MONTGOMERY (g) BUDDY MONTGOMWRY (vib)
MONK MONTGOMERY (b) WALTER PERKINS (ds) 
ARMANDO PERAZA (cng, bng) RICARDO CHIMELIS (tmb, cng,bng) (*)
録音 1961年10月9, 10日

英国のピアニストであるジョージ・シアリングは、ピアノ、ギター、ヴィブラフォンの3つの楽器によるユニゾンが、シアリング・サウンドとして一世を風靡しましたが、このアルバムも同じ楽器の組み合わせでありながら、シアリングを中心としたアンサンブルによる洗練された音楽にはならず、もう少し泥臭いモダン・ジャズで、3曲ではラテン・パーカッションも入って華やかなサウンドとなっています。
それでも、ジョージ・シアリングとウェス・モンゴメリーの共演とあらば、珍しさも加わってその音作りにも興味が沸くことから、これまで繰り替えし聞いてきました。

収録されている11曲は、スタンダードと参加しているミュージシャンのオリジナルで構成されています。
シアリングの「ENCHANTED」はバラードですが、ピアノとギターによるユニゾンが美しく響き、また「AND THEN I WROTE」は、テーマ部でピアノ、ギター、ヴィブラフォンのユニゾンの部分がありますが、ウエスの伸びやかなギターの音色が、従来のシアリング・サウンドとは異なってウェスの音楽になっています。

ラテン・パーカションの加わった「STRANGER IN PARADISE」は華やかですが、「THE LAMP IS LOW」は他のミュージシャンのいずれの演奏と比較してみても、全くイメージの異なる曲に変化しています。
ウエスの「DOUBLE DEAL」は、12小節のブルースで、ウエスのギターとバディのヴィブラフォンが交互にソロを取っていて、「 LOVE WALKED IN」におけるウエスのソロは、オクターヴ奏法を交えながら、バディのヴィブラフォンへと受け渡されており、この辺がシアリングをそっちに置いて、ウェス・モンゴメリーの真骨頂のようです。
また、「LOVE FOR SALE」では、シアリングが負けじとメロディをゴツゴツとした感じのソロを披露したり、「DARN THAT DREAM」では、趣を変えて速いテンポでヴィヴラフォン、ピアノ、ギターの順にソロが受け渡され、バックで4つを刻むモンクのベースがしっかりとした音程でこの演奏をしっかりと締めており、最後はベースのソロも入っています。

バディの「LOIS ANN」はバラードで演奏され、テーマ部はピアノ、ギター、ヴィブラフォンのユニゾンでスタートし、アドリブに入ってピアノがソロを取っていますが、淡々と演奏が進行していく1曲となっています。
最終曲の「MAMBO IN CHIMES」は、再びラテン・パーカションが入った楽しい演奏で、ヴィブラフォンとギターのソロがありますが、ウエスのラテン調の演奏も中々です。


余談ですが、以下に掲載したレコードについて、
これまで米国LAのショップで購入したものを長年愛聴してきたのですが、数ヶ月前にレコード盤を裏返す時にプレイヤーの上に落としてカートリッジのシェルとターンテーブルのコーナーに当ててしまったことから、B面の2~4曲目に大きな傷が出来てしましました。

 

そのために最近買い直したのが最初に掲載したモノラル盤です。
これまで聴いてきたステレオ盤のほうがバランスが良く処分してしまうのはもったいないので、A面だけを聴くことにしています。

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私の愛聴盤(第179回)

2023-08-06 | 私の愛聴盤
第179回はボビー・ティモンズのソウル・タイムです。

「SOUL TIME」 RIVERSIDE RLP 334
  
1. SOUL TIME
2. SO TIRED
3. THE TOUCH OF YOUR LIPS
4. S´POSIN´
5. STELLA B.
6. YOU DON´T KNOW WHAT LOVE IS
7. ONE MO´
BOBBY TIMMONS (p) BLUE MITCHELL (tp)  SAM JONES (b) ART BLAKEY (ds)
録音 1960年8月12, 17日

これは、リーダーであるボビー・ティモンズのオリジナルと、ジャズのスタンダードからなるアルバムで、ブルー・ミッチェルが参加していることから、彼がリーダーとなった「BLUE´S MOODS」と比較してみて、よりソウルフルな演奏となっています。

1曲目の「SOUL TIME」は3拍子の曲で、ブルー・ミッチェルの軽快なトランペット・ソロのバックで、アート・ブレイキーの正確にリスムを刻むハイハットが効果を出しており、後半では素晴らしいドラム・ソロもありますが、作曲者であるボビー・ティモンズのトレモロを織り交ぜながらのツボを得たピアノ・ソロもオープニングにふさわしいプレイとなっています。
多くのミュージシャンが取り上げている「SO TIRED」もミッチェルとティモンズのソロの応酬となる演奏ですが、サム・ジョーンズのロング・ソロもまた素晴らしく、この演奏の後半のハイライトです。

スタンダードの3曲におけるティモンズのプレイは、ソウルフルな部分が陰を潜め、シングル・トーンを中心にしてミッチエルのトランペット・プレイの引き立て役に徹しています。
その中で、アップ・テンポの「S´POSIN´」でのミッチェルは、自身のリーダー・アルバムの中で演奏している「I’LL CLOSE MY EYES」中で演っているフレーズがそのまま出てくるところもあり、ニヤッとさせられます。
ティモンズ夫人のイニシェアルを取った「STELLA B.」は12小節のブルースで、淡々と演奏されており、ティモンズのプレイは泥臭さ無く、洗練されたソロに終始しています。
最終曲の「ONE MO´」は、ピアノ・トリオで演奏され、アート・ブレイキーのハイハットがしっかりとリズムを刻む中で、ティモンズは正にティモンズというべきファンキーなフレーズを交えながら快調に飛ばして行き、後半ではブレイキーの特徴あるドラム・ソロを挟んでテーマに戻っています。

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私の愛聴盤(第178回)

2023-06-18 | 私の愛聴盤
先日レスター・ヤングのアルバムを取り上げましたが、彼と交友のあったビリー・ホリデイについて、比較的良く聴く1枚を愛聴盤の第178回としました。

「BILLIE HOLIDAY AT STORYVILLE」 TRIO PA-3113 (M)
  
 1. I COVER THE WATERFRONT
 2. TOO MARVELOUS FOR WORDS
 3. I LOVE YOU PORGY
 4. THEM THERE EYES
 5. WILLOW WEEP FOR ME
 6. I ONLY HAVE EYES FOR YOU
 7. YOU GO TO MY HEAD
BILLIE HOLIDAY(vo) CARL DRINKARD (p) 
JIMMY WOODE(b) PETER LITTMAN(ds)
録音 1953年10月末
 8. HE´S FUNNY THAT WAY
 9. BILLIE´S BLUES
10. MISS BROWN TO YOU
BILLIE HOLIDAY (vo) BUSTER HARDING (p) 
JOHN FIELDS (b) MARQUIS FOSTER (ds)
録音 1951年10月31日
11. LOVER COME BACK TO ME
12. AIN´T NOBODY´S BUSINESS IF I DO
13. YOU´RE DRIVING ME CRAZY
BILLIE HOLIDAY (vo) STAN GETZ (ts) 
BUSTER HARDING (p) JOHN FIELDS (b) MARQUIS FOSTER (ds)
録音 1951年10月29日

レコードは、3つのセッションが収録されていますが、いずれもボストンのストリーヴィル・クラブからの放送録音で、彼女の絶頂期の歌唱ではありませんが、録音状態も良く、クラブ出演している雰囲気が味わえます。

往年の艶のある歌声は望むべくもありませんが、53年録音のA面では、「I COVER THE WATERFRONT」や「 I LOVE YOU PORGY」の感情を込めての歌唱や、ミディアム・テンポでの「THEM THERE EYES」の乘りも最高で、感動的です。
そして、B面に収録されている51年の「HE´S FUNNY THAT WAY」からの最初の3曲は声に張りがあり、特に「 MISS BROWN TO YOU」は、ミディアム・テンポで気持ちよく歌っている様子が窺えます。
また、特にソロを取るわけではありませんが、最後の3曲にはスタン・ゲッツが伴奏に参加していいることからも貴重な1枚です。

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私の愛聴盤(第177回)

2023-05-28 | 私の愛聴盤
第177回はハロルド・ランドの「ランド・オブ・ジャズ」です。

「THE LAND OF JAZZ」 CONTEMPORALY C 3550
  
1. SPEAK LOW
2. DELIRIUM
3. YOU DON´T KNOW WHAT LOVE IS
4. NIETA
5. GROOVEYARD
6. LYDIA´S LAMENT
7. SMACK UP
HAROLD LAND (ts) ROLF ERICSON (tp) CARL PERKINS (p) 
LEROY VINNEGAR (b) FRANK BUTLER (ds)
録音 1958年1月14日

これは、スタンダードとオリジナルのブレンドが良く、ハロルド・ランドのリーダー・アルバムの中では、最も良くターンテーブルに乗る1枚です。
このアルバムもまた、ローチ・ブラウン・クインテットの演奏を彷彿とさせますが、レコード会社の違いによるサックス音の微妙な違いや、相方を務めるトランペッターがそれぞれ異なることによるサウンドの違い等、いろいろな楽しみ方があります。
ここでのランドのサックスは、少し太めでどちらかと言えばロリンズの音に似ているように思います。
相方のロルフ・エリクソンは、スエーデンのトランペッターで、米国のビックバンドでの共演も多くあり、このアルバムでも好演しています。

このアルバムには2曲のスタンダードがあり、1曲目の「SPEAK LOW」ではハードバップ真っ最中の雰囲気が伝わってきます。
また「YOU DON´T KNOW WHAT LOVE IS」は、ミディアム・テンポによるランドを中心としたカルテットで演奏されていて、彼のモダンでスムースなフレーズが次々に繰り出されてきます。
ピアニストのカール・パーキンスのオリジナルである「GROOVEYARD」は、長いピアノ・プレイが先行し、続くエリクソンはミュートでメロディをなぞりながらも絶妙なプレイを披露しています。

ランドのオリジナルは3曲あり、「DELIRIUM」はブルース感覚を持った16小節の曲で、彼のローチ・ブラウン時代を彷彿とさせる力強く中身の濃い演奏です。
また「LYDIA´S LAMENT」は、彼の奥様に捧げた曲で、サックスとトランペットによるユニゾンでテーマが演奏され、続くランドの哀愁を帯びたソロの後は、再びユニゾンでテーマに戻っています。
そして「SMACK UP」は、ミディアム・テンポで余裕たっぷりの貫禄あるプレイが印象的であり、エリクソン、パーキンス、フランク・バトラーにもソロ・スペースが与えられています。
なお、この曲はアート・ペッパーがジャック・シェルドンと演奏しているものが同じレーベルにありますが、そちらはより速いテンポの軽快な演奏となっています。

このアルバムに収録されている演奏は、2管によるクインテットが中心の曲ですが、そのいずれもが東海岸のそれとは異なってカラッとした爽やかさを感じるのですが、これも西海岸のレーベル・カラーであると思います。

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私の愛聴盤(第176回)

2023-04-23 | 私の愛聴盤
私の愛聴盤の第176回は、サラ・ヴォーンのライブ・アルバムです。

「AT MR. KELLY’S」 MERCURY MG 20326
  
1. SEPTEMBER IN THE RAIN
2. WILLOW WEEP FOR ME
3. JUST ONE OF THOSE THINGS
4. BE ANYTHING BUT DARLING BE MINE
5. THOU SWELL
6. STAIRWAY TO THE STARS
7. HONEYSUCKLE ROSE
8. JUST A GIGOLO
9. HOW HIGH THE MOON
SARAH VAUGHAN (vo) JIMMY JONES (p) RICHARD DAVIS (b) ROY HAYNES (ds)
録音 1957年8月6日~8日

サラ・ヴォーンは、1954年から59年に掛けてマーキュリーに所属しており、54年にはクリフォード・ブラウンとのセッションを、またこの”ミスター・ケリーズ”の後は、同じシカゴのロンドンハウスにおいてライブ・アルバムを輩出しており、この3枚はいずれも名唱名演となっていて、遅いテンポの曲は良く伸びる高域と、独特のヴァイブレーションが素晴らしいです。

その中で、これは数あるライブ盤の中で歌や演奏だけで無く司会者の声や歌手のトークなども収録され、ピアノ・トリオをバックにバラードとスインギーな歌が堪能でき、リラックスしたクラブの雰囲気を十分に味わえる1枚です。
司会の紹介に続く「SEPTEMBER IN THE RAIN」から「WILLOW WEEP FOR ME」へと続く流れが良く、「WILLOW WEEP FOR ME」では、中間部のピアノ・ソロ部分でマイクが倒れる音も収録されていて、サラはそれに乗じて歌詞を即興で変えて歌っており、歌い終えた後の聴衆の反応も聞く取ることが出来ます。
「HONEYSUCKLE ROSE」は、アニタ・オディが「ジス・イズ・アニタ」の中で歌う名唱がありますが、サラの歌も中々のもので、中間部ではジミー・ジョーンズのロング・ソロもあり、また「HOW HIGH THE MOON」におけるスキャットも楽しめる1曲です。

なおこのライブには、レコードに含まれない11曲が入ったCDも発売されています。

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