シルバーホームでの紙芝居
この日の 私の出し物は 民話の「へっこきよめ」です
気立てもよく 働き者の娘さん
農家の倅に嫁ぎました
近所の評判も上々でした
そのお嫁さんには ある悩みがありました
恥ずかしそうに お姑さんに話した彼女の悩みとは・・・
”へ”でした へ? へ~?
つまり屁です
「おら 屁をがまんしてるので 苦しくって」
「なんだろう そんなもの 遠慮しないで いくらでもしたらいい」
「そんなら ばあさま ぶっ飛ばされると怪我をするから なにかにつかまってけれ」
お姑さんが囲炉裏のふちにつかまったとき
ブッ プ ブーッ!{/
ばあさまは 裏の大根畑まで飛んできてしまいました
息子も 飛ばされてしりもちです
「これはひどい かわいそうだけど 里へ帰ってもらうべ」
泣く泣く亭主といっしょに里へ帰るお嫁さん
その道中での出来事がよかった
まずは・・・
大風で倒れていた大木にお尻を向けると 「じゃぁ ごめんして・・」
ブップププ~のブッププ~~
大木は たちどころに立ちなおりました
そして お礼のお金を たくさんいただきました
さて またしばらく行くと・・・
お米をいっぱい積んだ舟が 浅瀬につかえて動けなくなっていました
「あれまぁ こんな舟が動かせないかね」
船頭たちがおこりました
「そんなら お前が動かしてみろ」
「・・・へい」
お嫁さんは 後ろ向きになって」言いました
「じゃぁ ごめんして」
ブビブビブー ブギウギ♪
とたんに ずずずーっ
舟はたちまち動きました
喜んだ船頭たちは お礼にお米を十俵おいていきました
お嫁さんは いただいたお米十俵を ブップププ~の ブッブブッツプップ
息子の家の庭まで飛ばしてしまいました
ふたりはニコニコしながら歩いていくと
今度は 殿様の行列に会いました
殿さまが 大きな梨の木のそばに駕籠を止めていいました
「梨がたべたい だれぞ取って参れ」
ところが 梨の木は背が高くて登って取ることも 竹竿でつっつくこともできません
息子「お前 また ちょっくらやってみるか」
お嫁さん「へい」 頷いて
「どれ ごめんして」
ブッ バラバラ プッ バラバラ ブッばら ブッばら スットントン
屁の音と 梨の落ちる音が調和して 屁調協奏曲
「あっぱれ あっぱれ~」
殿さまは 大喜びで 褒美の品を山のようにくださいました
息子は思いました
”なんていい 嫁っこだべ まるで宝物じゃ”
息子は お嫁さんを里に返すことをやめにして いっしょに家に帰ることにしました
家に戻ったお嫁さんは 「どれ ごめんして・・・」
すぐに米俵を家の中にしまってしまいました
そして それからは 誰にも遠慮しないで
ブブブブ bubububu ぶ~ぶ~ぶ
上手に屁の力(兵力)を使って仕事をこなして ばぁさまと三人 仲良く暮らしました
※ よく笑っていただいたのが女性のAさん ありがとうございました ※
今回の師匠の出し物は「牛若丸」でした
いつもの名調子で 痛快物語を展開
観客の反応がよかったです 流石!
はじめて トリをとらせていただきました 感謝してます