AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

6156:シンプル

2023年01月08日 | ノンジャンル

 「シンプル イズ ベスト」は、ビジネスでもプライベートでも何度も耳にしたことのある言葉である。オーディオシステムは、ややもすると複雑な構成になりがちであるが、とあることをきっかけに思い切ってシンプルな構成にしてみると、「これでいいんじゃないの・・・」とはっとすることがある。

 ハンコックさんのリスニングルームのオーディオシステムは今とてもシンプルな構成になっている。送り出しはORACLE DELPHI4。Phasemationのフォノイコライザーを介してサウンドデザイン社のプリメインアンプに音楽信号は送られて、Wilson Audioの銘機であるWatt3/Puppy2が駆動されるという一筆書きのような流れに纏まっている。

 今日は「シンプル イズ ベスト!」を体現されているハンコックさんのリスニングルームを訪問した。実はこのシンプル構成・・・Mark Levinson No.23.5に不具合が生じたことによる一時避難的なものなのであるが、なかなかバランスが良いとのことで、私も聴かせてもらうことになったのである。

 ハンコックさんはオーディオマニアであるとともに、ジャズのオリジナル盤のコレクターでもある。今日はとても貴重なジャズのオリジナル盤を聴かせてもらうことも大きな楽しみであった。ハンコックさんによると、この1年でジャズの貴重なオリジナル盤は非常に高騰しているとのこと。ここにもインフレの波が押し寄せているのであろうか・・・

 マンションの1室であるリスニングルームは清潔感に溢れている。掃き出し窓を背にする形でオーディオシステムはセットされている。Watt3/Puppy2は発売からすでに30年ほどの年月を経ているスピーカーであるが、古臭さは微塵も感じさせないデザインである。

 Watt3/Puppy2とORACLE Delphi4の組み合わせは見た目的にとても相性が良いと思えた。今日はハンコックさんの貴重なレコードコレクションがテンポよくDelphi4のターンテーブルに乗せられた。

 まず、その音の印象は「レコードプレーヤーやスピーカー位置の微調整が相当高度にレベルアップした結果として、音のバランスがとても素直で自然なものになっている・・・」というものであった。

 システム構成がシンプルになったことで、色付けがなく、レコード盤の素性をそのまま音に変換する現在のハンコックさんのオーディオシステムは、BLUE NOTEなどの貴重なオリジンル盤を聴くのにとても向いている。

 個々のレコード盤の持つ特質が手に取るように分かる。古い時代のレコードはレーベルやプレスされる国によってそれぞれの個性が際立っている。そういった個性の饗宴が、土曜日の午後、ハンコックさんのリスニングルームで執り行われた。

 数多くの銘盤を聴かせていただいたが、今日一番私の心の琴線に触れたのは『The Magnificient』Thad Jonesであった。銘盤ぞろいのBLUE NOTEの1500番台に属する1枚である。ちなみにレコード番号はBLP1527。1956年の録音で、もちろんルディ・ヴァン・ゲルダーの手による録音である。

 「やはり、BLUE NOTEは音が濃い・・・ぐっと胸に迫るこの音の深みはオリジナルレコードのみが持つものであろう・・・この響きを聴いてしまうと、高騰していてもやはりオリジナル盤にのみ触手が向かうのは、自然の成り行きなのかもしれない。」そんなことを思った今日のOFF会であった。  

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2 コメント

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Unknown (ハンコック)
2023-01-08 12:39:38
taoさん
昨日は遠いところをありがとうございました。
まだパワーアンプは壊れたままなので、SD05で鳴らしました。
レビンソンではないですが、SD05でどこまで良い音を出せるかと調整のみを行なってきました。
また、10月にtaoさんのお宅でレコードの音を聴いてしまいましたから、手持ちのカートリッジでどこまで近づけるのか試してみたくなったのです。
アナログの調整には、かなり時間を掛けたつもりですが、如何だったでしょうか。
レコードの溝から、あともう一歩良い音を引き出せそうなのですが、あと一歩が究極に難しいですね。
最上段をあと一歩詰められたら、中段下段と音作りをしていきたいと思います。
これからお互いに繁忙期になりますが、体調に気をつけて乗り切って、春にまた遊んで下さい。
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Unknown (tao)
2023-01-09 08:42:39
ハンコックさん
アナログの調整が相当に追い込まれていて、その効果から音のバランスがとても自然で全く違和感のないものでした。
アナログの調整は限りがないと思われるものですが、上手くいくと音にはっきりと表れるので面白みがあります。
また、お互いに訪問し合ってその調整具合を確かめ合いましょう。
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