トトは飼い主に似て、申し分のない男前なので、種の垣根を越え人間の女の子でもメス犬でも、どこに行ってもモテモテだ。福島に来てからも、近所のモモちゃんやミルクちゃん、リンちゃんが、シッポをグリングリン回してあいさつする。
そんなトトも、オス犬に対してだけは敵意丸出しで、「いつでもやってやろうじゃねえか」くらいの勢いで向かっていこうとする。何もそこまでオスメスで対応を変えなくてもと思うのだが、トトにはトトの考えがあるのだろう。
ドリに初めて会ったときも、トトは敵意丸出しで、絶対に仲良くはならないだろうと心配していたが、不思議と短時間のうちにドリの存在は気にならなくなったようだ。2匹を見ていると、明らかにトトが上位で、ドリがトトのやることを真似することが多い。犬の世界にも年功序列というのがあるのだろうか。
が、事実はドリはもともとメス犬よりもオス犬のほうに気があるらしく、メス犬に対してはまったく興味が湧かないらしい。どおりで、トトがミルクちゃんやモモちゃんなんかと仲良くしているときも、知らん顔をして道草を食っているわけだ。どうもでかいオス犬ではあるが、気持ちはあっち方面にあるらしい。これからは「ドリ・デラックス」とでも呼ぶか。
トト、気をつけてないと、襲われるかも。