おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

証拠写真

2024-04-23 10:57:30 | イラスト
 焼き物にしろ絵画にしろ、趣味で作品作りをしている人の悩みの種は、作品の数が増えることで収納する場所がなくなることだろう。コレクターと呼ばれる人も、同じ悩みを抱えているかもしれないが、コレクターにとっては所有する物の数が増えることは嬉しいことなので、嬉しい悩みと言えるかもしれないが、焼き物や絵画というのは出来の悪いものも同時に増えていくので、どうしようもなくなって行くのである。

 収納スペースがなくなったからといって、作品作りを減らしたら、それは本末転倒になる。上達するにはとにかくたくさん作って行くしか方法がないのだから、あとは出来上がったものをなるべく人に譲るという方法で数を減らすことで対処するしかなくなる。

 若い頃、使わなくなった油絵の道具を譲ってもらったことから、なんとなく絵を描くようになった。最初は面白がってキャンバスに向かっていたが、次第に増えていく油絵に悩まされるようになった。おまけに油絵は乾かすのに時間がかかる上、絵の具を溶かす油の匂いも結構きついのだ。狭いアパートの一室で描くのも限界がある。

 そこですぐに乾くポスターカラーを使ってイラストボードに描くようになったが、大きなボードに描けばやはりかさ張る。そこで出来のいい物を人にあげるということをするのだが、それだと出来の悪いものばかりが手元に残るというジレンマに陥る。

 で、思いついたのが、数が増えても収納に困らず、人にあげてもオリジナルは手元に残るパソコンを使った絵を描くようになった。これだと数百枚の作品だってUSB1本に収まってしまうし、プリントすればいくらでも人にあげられるのである。

 が、パソコンで描くというのは、どうしても「パソコンが描く」というふうに思われてしまい、「やり方を教えてください」と簡単に頼まれる。「普通に絵を描くのと同じですよ」と言っても、信じてもらえないのである。更に最近のAIの進化で、タイトルさえ命令すれば勝手に絵を仕上げてしまうようになると、パソコンで描くというのはますます機械の性能だと思われてしまうのだ。

 そんなこんなで、最近は再び筆を使って絵を描くようになった。最新作は水墨で描いたドジャースの大谷くんで、そこに水彩の青で着色した。満足する出来だったので、額に入れて飾ったら、その日のうちに知人がタラの芽を持って遊びに来た。タラの芽を頂戴しながら、大谷くんの絵を見せびらかしたら、「これ、いいんですか」とタラの芽のお礼だと勘違いされた。とはいえ、タラの芽を持ってきてくれたわけだし、絵なんてもう1枚描けばいいだけだと、そのまま持って帰ってもらうことにした。

 お客さんが帰ってすぐに、「あっ、写真に撮っておくのを忘れてた」と慌てた。頑張って数日かけて描いたのに、証拠が残っていないのである。

 というわけで、今度はこまめに写真を撮っておこうと、昨日から描き始めたビートルズの「Let It Be 」のジャケットの水墨画を写真に撮ることにした。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 贅沢な食卓 | トップ | 見るということ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

イラスト」カテゴリの最新記事