おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

ゴッホの犬の絵

2017-09-07 12:46:34 | 福島

 このところ、ずっと読み続けていた星野道夫著作集全5巻を読み終わったので、次は何を読もうか悩んだ末、今から20年以上前に高円寺の駅のそばにある古本屋で買った「ゴッホ 100年目の真実」(デイヴィッド・スウィートマン著)という分厚い本を読むことにした。

 当時は買ってすぐに一気に読んだが、なんたって20年以上経過しているので、何が書いてあったのか忘れてしまった。ゴッホの生涯については、いろんな本を読んで知識としてあるが、著者によって少しずつ画家のイメージが違うので、同じ伝記であっても、面白いものとそうでないものがある。

 ゴッホという人は、若い頃から画商、先生、牧師といろんな仕事につきながら、結局どれにも挫折し、最後の最後にとりあえず自分には絵を描くことくらいしか残されていないと、絵描きに転じた人である。絵描きになろうと決心したのが27歳のとき、それからは一心不乱に絵に取り組み、37歳で自殺した。ヒマワリや跳ね橋、夜のカフェや星月夜といったゴッホらしい絵というのは、死から遡ること3年間に描かれたものである。

 激しい筆致と、ねじれた対象物で、ゴッホという人が感情に任せて筆を動かしたと感じる人は多いだろうが、ゴッホの絵の才能というのは、子供の頃から飛び抜けていた。今回ゴッホの本を読み返していたら、9歳のときに描いたという犬のデッサンが載っていた。絵描きを目指して勉強中だったデッサンの中に置いてみても、すぐにゴッホのデッサンだと判断できるものが見え隠れしているが、驚くのは、犬の筋肉や骨まで、しっかり描き込んでいることだ。これが、仮に自分の9歳の息子が描いたとしたら、親は子供の天才ぶりに驚嘆するだろう。

 いつの間にやらゴッホには、社会の落伍者のイメージがつきまとっているが、おそらく当時でも神童として扱われていたんじゃないなかろうか。そして、ゴッホ自身も、自分の実力には気づいていたろう。

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