おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

明治の話

2024-04-10 12:50:16 | 日記
 日本国内最高齢の112歳の男性が死亡したというニュースが出ていた。読んでみると、日本国内の明治生まれの最後のひとりだったという。国内ということは、海外に移住している日本人の中には明治生まれがいるということだろうか。それとも確認できないから、不明ということにしているのだろうか。ともかく次の最高齢者が110歳となったことで、明治生まれの男性が日本にはいなくなってしまったのである。

 記事を読む限りでは、男性と断っているので、男性より長寿の女性にはまだ明治生まれはいるのかもしれない。と思っていたら、日本国内の女性は115歳だと別の記事にあったので、明治生まれの女性はまだまだいるようである。やはり男は弱い生き物なのだ。

 112歳で亡くなった日本人男性は、今年4月2日に世界最高齢だったベネズエラの男性が114歳で亡くなったのを受け、世界の男性の最高齢者としてギネスに登録されるところだったのが、認定前に死亡が確認されたので、イギリスの111歳の男性が代わって世界最高齢の男性としてギネスに認定された。数日差だったとしたら、記録に残っていただけに残念だったに違いない。

 それにしても、明治の人がこの世にいるというのがなんとなく不思議な気がする。昭和の時代だったらまだまだ近い時代だったが、その後平成、令和と続き、今では遠い時代になってしまった。平成の若者にとっては江戸時代くらいの感覚なのだろうか。令和の子供にとっては明治はどう見えているのだろうか。

 明治生まれと言っても明治がどんな時代だったのか、生まれただけではわからないだろう。第二次大戦前に生まれたと言っても、戦争の記憶があるわけではないだろう。同じ昭和に生まれても、戦争を知っている人、知らない人、昭和に生まれながら昭和の記憶がない人、昭和に抱くイメージはかなり隔たりがある。

 人はいつだって自分に都合のいい過去を作り上げる。人間の記憶は、現在の創作だとも言える。昔を知らない世代の人たちに囲まれて暮らすようになったら、昔はどんな時代だったかを思い出すのに真実と創作の区別がつかなくなるだろうな、と想像する。長生きするのは面白そうだなと思う。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする