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進化の方向    落石

2009年05月30日 17時45分15秒 | Weblog
人間は自由であり、競争社会。力のある者が勝つのが正義。
「社会ダーヴィズム」という考え方があります。
これに対して「人間は平等な社会で生きるように進化してきた」
と、する全く正反対の考え方があるそうです。

その証拠のひとつが人間の顔の進化。
目や顔の表情は、自分がなにを考えているのかを
相手に伝えるように進化してきた。
自分を相手に知らせることが、お互いを理解し、
信頼しあう平等社会の土台にあるというもの。

小泉さんたちが進めた改革は、経済の活性化=
会社の利益第一=個人の業績第一主義。
この結果、上の人(お金持ち)が下の人(貧乏人)を
見下す社会に変化。
人間関係の希薄化が人間の健康を支えてきた
社会関係資本を劣化させ、貧乏人ばかりではなく
お金持ちの健康をも悪化させるという皮肉な結果も出ているという。

ソビエト社会の「悪」平等が、平等への信用を傷つけた罪は大きいが、
失ってはじめて、その大切さに気付くことも多い。
平等こそ豊かさの大切な条件のひとつであること、に、
改めて気付く必要があるのでは?

中日新聞の夕刊・池本幸生さんの「健康をむしばむ格差社会」より。


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2 コメント

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反復説のこと (文科系)
2009-05-30 21:08:56
上の文章に関わると思われることで、反復説というのがあります。こういうのね。
「個体発生は系統発生を繰り返す」

これの正しい解釈と、誤った解釈とがあります。誤りはこういうの。単細胞生物から人間までの系統発生の全てを順序も違えてでも、人間一人の発生、成長のあちこちに見抜こうとする奴です。これは、「機械的反復説」と言われます。

正しい解釈はこういうのです。ちょっと難しいですが。
「個体発生は、系統発生の全ての段階を経るということはなくっていろんな段階を飛ばしてしまうということはあるが、人間個体に起こることは、系統発生通りに起こり、その順番に狂いはない」
この後半は説明がいります。人間の赤ん坊は母の体内でもう、哺乳類の段階になっています。ですから生まれてきてから「は虫類の這い這いをしなければならない」などということはもうないわけです。ですが、保育の偉い先生がその大人気の本で昔もっともらしく「は虫類這い這い」などという言葉を大々的に使ったことがありました。僕はこれを聞いた時、笑っちゃいましたね。「『は虫類這い這い』なんていかにも系統発生学的でもっともらしいから、『は虫類の段階の這い這い』としか読めないよな。だから機械的反復説だね。これは」というわけです。

さてこうして、他の生物から人間の精神、心、社会などを類推するのは、ほとんど全て誤りと言っても良いのだと思います。だからこそ、社会ダーウィニズムも誤りなんですね。人間は何よりも、他の生物とは非常に違う特別な存在ですから。

さて、新自由主義と「平等、博愛」と。これは生物学から類推してもいけないし、塩野七海がよくやるようにギリシャ、ローマ時代などから類推してさえもいけないと思います。「現代社会の」、「自由」対「平等」のはずですから。類推とは、同じような言葉の魔術に人間が引っかかりやすい罠だと思いますね。
現代の「自由対平等」は例えばこういうものじゃないでしょうか。
【 当面、大きく分けて二つの指導的な資本主義の間に闘争がある。それは少なくともアングロ・サクソン諸国に見られる新自由主義的な形態と、生産におけるコーポラティズムの組織と弱者への福祉の網の目に安定の基礎を置こうとしている国家資本主義的重商主義という二つの形態である。新自由主義的な形態はアングロ・サクソン諸国において最も発達しているが、国家資本主義の形態は大陸ヨーロッパにおいてみられ、その修正された形態が日本に見られる】

上記は1993年に日本版が書かれた本からの抜粋ですが、以降の日本はもうこの当時の面影すらなくって、随分アングロ・サクソン的になってきました。今読んでいる「地球政治の再構築」、スティーブン・ギル著、朝日選書からの抜粋です。

このコメントは大事なモノなので、投稿にも格上げしておきますね。


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どう思います? (落石)
2009-06-01 09:24:13
これまで弱肉強食という真理について
発言されていた方々にも
コメントをお願いします。
じつは、私は、この説には半信半疑です。

西原克成というヒトの内臓が生み出す心
という本を読んでいたら、
心は腸にあるとのこと。
腸のココロと脳の精神という
二元論みたいな話なんですが、
ヒトには矛盾した志向性が内在している?
のではという気もしたりして・・・

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