標記のことで、マスコミ論調がかしましいが、僕がどうしても言いたいことがマスコミ論調に欠けていて、気になって仕方ない。
アメリカも日本も「中国は一つ」、「正式政府は、大陸の側」とは、ずっと認め、明言してきたことだ。つまり、大陸政府が国連に認められた国家なのであって、台湾も大陸側政府の管轄の内のもの。台湾現政府は、大戦末のどさくさに大陸の一部勢力が武力征服・分裂して作ったものである。言い方を変えれば「一部勢力の暴力革命による分裂国家」が台湾政府の起源なのであった。だからこそ、日米ともに、台中問題は、こう語るしか無かったのだ。
「力による一方的な併合は、これを認めない」
こう言われると僕は、こう応えたくなる。
「では聞きたい。『一つの政府』という国連公認の正論の方はどこに飛んで行ってしまったのか?」
一例、中国の軍艦が台湾を回ったところで、これは正式には自国領海内を示威行進しているだけなのである。これが台湾を襲ったら初めて「すわ、力による統一戦争を始めた!」と言いうるのだろう。ちなみに、この「武力による一方的統一=併合」は、やはり許されないと思う。と、こういう厄介な國際的問題で「いざとなったら、日本は台・中戦争の最前線に立て」などと米高官から現に指示されているが、こんなのはご免被りたい。こう言われるのも、日本政府が「敵基地攻撃能力を持つべし」などという策を実践してきたからなおさらなのだ。この政策は、中国を念頭に置いて取ってきたからこそ、日本政府は、アメリカに利用されるだけのようで、怖い怖い。こんな厄介な歴史的問題にどうして日本はこれほどに突っ込んで来たのか。いまや専守防衛ならぬ、航空母艦まで作ってのことである。商売理由で戦争し始めたら、貿易保護主義が始まった現在、戦争連続国に堕していくことだろう。