九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

随筆  地獄から天国が生まれた話    文科系

2019年08月27日 10時47分45秒 | 文芸作品
「……ということで、十日間入院です」
 かかりつけ医院で毎年やっている胃の内視鏡検査に初めて引っかかって、紹介された拠点病院でもう一度内視鏡検査をした十日ほど後のことだった。その検査・診断の結果としてそう告げられたその瞬間から、心がずっしりとまー重暗くなったこと。帰宅してすぐに、医者である兄に相談の電話を入れた。すると、「電話で話す話じゃない」と我が家にすっ飛んできて、こんなことを話すではないか。
「この検査で十日も入院って、相当やばいぞ。胃に腺腫があってそれが胃癌に繋がる関係で『進度三の腺腫』ということだが、今度お前がやるのはそれを胃壁の厚さの半分ほどまで内視鏡的に切り取って、腺腫自身やその周辺胃壁に癌細胞があるかどうかを調べる手術だ。その後に大きな手術へと繋がっていく可能性も大きい。すると、腹腔鏡手術と言って、内科でやる開腹しない胃癌切除手術ということになる。特別な難しい免許も必要な新しく開発された手術で、研修医の実習もする大学病院だから良い医者がやるのかどうか? 何でもっと早い段階で相談しなかったんだ! 今更病院を換わることは出来ないから」
さー大変、入院してすぐに病院の患者用図書館で詳細に調べてみた。どう見てももう胃癌に罹ったとしか思えなかった。

そしてさて、全てが終わって、結果は真っ白。癌細胞はなかったし、腺腫なるものは癌ほどは繰り返すものではないと告げられたし、今後も今まで同様に、毎年一回内視鏡検査を受けていればよいという。そもそも、ピロリ菌で長年荒れ果てた胃を毎年内視鏡検査してきたからこそ、癌に進行しやすいこの腺腫なるものも早期発見できたのだ。つまり、自分で早期発見早期治療に努めてきたその結果の朗報となったわけだった。

 そうなるとたちまち、半月以上何の運動も出来なかったランナーとしての身体が心配、不安に。七八歳というこの年になると、半月の完全ブランクがどんな衰えを生むのか。検査結果もまだ分からぬ入院中から、一六階病室の下り登りを二日ほどやっている自分が、なにか神経症のように見えたものだ。そして怖々とゆっくり走り出したのが、退院日を入れて一週間後。以後約二週間ちょっとで、一時間の距離にしてこんな風に延びていったのには、とにかく驚いたこと! 初日が七・六キロ。中一日に置いた次には途中六キロでダウンの日を挟んで、八・二、八・五、八・九、九・一と。入院前よりも絶好調になって来るのが手に取るように分かった。「どうして?」と考えてみたが、すぐにいくつか思い当たる。入院中の絶食、節食数日から体脂肪率が一割を切っているのに、脚筋だけは日ごとどんどん増えてくるのだ。体組成計にアクティブ度という体重に占める脚筋量を指標化した数値があって、それがこの5年最高レベルになっていた。また、入院中に勉強した「身体によい食事。これを三度三度しっかり食べる」なども、大きな効果を生んでいるらしい。ポリフェノール、抗炎症食品、歯磨きを食後に一日最低二回などなどのことである。こうして結論。
「これだけランナー復活が速く、きちんと出来るのだから、まだまだ走れる!」

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 米経営者団体が白旗、日米沈... | トップ | 想像を超える、「韓日」断絶... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。