★電子投票★(週刊金曜日 1月25日号 新聞記者 日下部 聡の政治時評より)
1月15日に閉会した臨時国会で、前代未聞の事態が起きた。自民・民主両党が事前に合意して衆院を通過、間違いなく成立するはずだった法案が“「急停車」”してしまったのだ。
国政選挙に電子投票を導入する公選法特例法改正案である。昨年6月の通常国会に与党が提出していた議員立法だ。12月初めには民主党執行部も賛成の方針を固めた。ところが同月12日の参院政治倫理・選挙特別委員会で流れが変わった。
不正があった場合に検証が出来ないなど、セキュリティ面での不安を指摘した民主党議員の質問に、与党側が「しっかりと管理する」などと,抽象的な答弁を繰り返したために審議は紛糾。継続審議となった。民主党は執行部と現場が「ねじれ」てしまったが、参院のチェック機能が実質的に機能した形でもある。
電子投票には、開票時間の大幅短縮▽疑問票や無効投票が出ない▽人件費削減▽自書が難しい障害者も代筆なしに投票可能・・・などのメリットがある。
タッチパネルに表示された候補者名を触る方式が主流だ。やがてはインターネットで自宅から投票できるなどの「夢」も語られてきた。しかし、電子投票先進国の米国では近年、その信頼性が揺らいでいる。
2004年の大統領選では、住民の8割以上が民主党員の地域で共和党のブッシュ大統領が勝った例などがあった。一方、今月8日のニューハンプシャー州での大統領予備選では、電子投票集計がヒラリー・クリントン上院議員に有利に行われたのではないかとして、同じ民主党候補のクシニッチ下院議員が再集計を申請した。
投票機メーカーや政府は信頼性向上を図ってはいるが、自分の票は本当にカウントされているのか・・・と有権者を疑心暗鬼にさせるシステムであることも確かだ。投票用紙という物理的証拠の残らないことが、その根源にある。
旧防衛庁などで情報セキリュティ研究に携わった武田圭史・米カーネギーメロン大学日本校教授らの研究によれば、今後日本で使われる可能性のある4メーカーの機器はいずれも、集計プログラムの対策が甘く、選挙管理関係者が開票結果を操作しようと思えば容易に出来ることが分かったという。
「『性善説』に基づくシステムでリスクが十分理解されていない。現段階での電子投票の全面導入は民主主義の重要な過程をブラックボックスに委ねることになる 」と武田教授は指摘する。
実は米国は「紙」に回帰している。投票者が自分の投票を確認でき、再集計も手作業でできるよう、投票ごとにレシートが打ち出される電子投票機が主流になりつつあるのだ。
電子投票のメリットは効率化と利便性向上に集約される。だが、それは二の次の要素だ。正確な投開票への信頼が失われれば、民主主義は土台から崩れてしまう。何も急いで電子投票にしなくてもよい、というのが率直な感想である。
最後に、自宅や携帯電話からのインターネット投票について。
あまり指摘されていないが、仮に完璧なセキュリティが確保されたとしても、有権者の自由意思かどうか確認できないという根本的な問題がある。
つまり、どこかに監禁されて特定の候補者への投票を強制されたとしても分からないのだ。投票は公共の場でする必要がある。
1月15日に閉会した臨時国会で、前代未聞の事態が起きた。自民・民主両党が事前に合意して衆院を通過、間違いなく成立するはずだった法案が“「急停車」”してしまったのだ。
国政選挙に電子投票を導入する公選法特例法改正案である。昨年6月の通常国会に与党が提出していた議員立法だ。12月初めには民主党執行部も賛成の方針を固めた。ところが同月12日の参院政治倫理・選挙特別委員会で流れが変わった。
不正があった場合に検証が出来ないなど、セキュリティ面での不安を指摘した民主党議員の質問に、与党側が「しっかりと管理する」などと,抽象的な答弁を繰り返したために審議は紛糾。継続審議となった。民主党は執行部と現場が「ねじれ」てしまったが、参院のチェック機能が実質的に機能した形でもある。
電子投票には、開票時間の大幅短縮▽疑問票や無効投票が出ない▽人件費削減▽自書が難しい障害者も代筆なしに投票可能・・・などのメリットがある。
タッチパネルに表示された候補者名を触る方式が主流だ。やがてはインターネットで自宅から投票できるなどの「夢」も語られてきた。しかし、電子投票先進国の米国では近年、その信頼性が揺らいでいる。
2004年の大統領選では、住民の8割以上が民主党員の地域で共和党のブッシュ大統領が勝った例などがあった。一方、今月8日のニューハンプシャー州での大統領予備選では、電子投票集計がヒラリー・クリントン上院議員に有利に行われたのではないかとして、同じ民主党候補のクシニッチ下院議員が再集計を申請した。
投票機メーカーや政府は信頼性向上を図ってはいるが、自分の票は本当にカウントされているのか・・・と有権者を疑心暗鬼にさせるシステムであることも確かだ。投票用紙という物理的証拠の残らないことが、その根源にある。
旧防衛庁などで情報セキリュティ研究に携わった武田圭史・米カーネギーメロン大学日本校教授らの研究によれば、今後日本で使われる可能性のある4メーカーの機器はいずれも、集計プログラムの対策が甘く、選挙管理関係者が開票結果を操作しようと思えば容易に出来ることが分かったという。
「『性善説』に基づくシステムでリスクが十分理解されていない。現段階での電子投票の全面導入は民主主義の重要な過程をブラックボックスに委ねることになる 」と武田教授は指摘する。
実は米国は「紙」に回帰している。投票者が自分の投票を確認でき、再集計も手作業でできるよう、投票ごとにレシートが打ち出される電子投票機が主流になりつつあるのだ。
電子投票のメリットは効率化と利便性向上に集約される。だが、それは二の次の要素だ。正確な投開票への信頼が失われれば、民主主義は土台から崩れてしまう。何も急いで電子投票にしなくてもよい、というのが率直な感想である。
最後に、自宅や携帯電話からのインターネット投票について。
あまり指摘されていないが、仮に完璧なセキュリティが確保されたとしても、有権者の自由意思かどうか確認できないという根本的な問題がある。
つまり、どこかに監禁されて特定の候補者への投票を強制されたとしても分からないのだ。投票は公共の場でする必要がある。
描かれます。
技術者は性善説なんですね。
でも、原爆などもそうですが、それを使うのは人間。
インターネットも、ようやく普及して、
誰でも使えるようになれば・・・・
今日のようなことに。
あとはイタチゴッコ。電子投票なども、
そうしたことを踏まえて議論しないと・・・
でも、技術者はホントに性善説かな?
合理化至上主義のもたらす危険性をはっきりと示しています。この事件は何万人かが、開放された改札口を意気揚々と通り抜けられたという快挙でしたが?
電子投票のミスともなればそんな事では済みません。
へそ曲がりさんの危惧されるような根本的な危険性
人権無視、民主主義制度の不信といった側面もあり
十分に検討してほしいものです。
ああそうそう・・小学生の頃エジソンの伝記を読んでいたら、彼が自信をもって発明した自動投票表明システムが、政治家から、これは良く出来ているが政治には馴染まないと、売り込みに失敗した逸話を思い出しました。
クリントン候補のニューハンプシャー州での勝利に首を傾げていましたので、カラクリが証明されたようで・・・納得しました。
民主主義を標榜しつつ、手の込んだ工作をしているかもしれませんね。人種差別のアメリカですからオバマさんは許せないのでしょう。想像したくないのですが、暗殺もあるかもしれません。
話は変わりますが岩国も財界や政府の横暴以外ありませんね。福田候補は・・・・落選すれば手厚い支援で衆院に返り咲けるでしようね。