★グーループメールに上記のような表題のJANJANの記事紹介がありました。
日本も早くこんな国になりたいものと思いました。是非読んでみてください。
(ネット虫)
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11月21日、「なごやボランティアNPOセンター」で、「世界一住みやすい国ノルウェーに学ぼう」(「クオータ制の実現をめざす会」主催、ノルウェー王国大使館後援)がありました。取材した三井マリ子記者の報告です。
国連開発計画UNDPによると、今年も、ノルウェーは182カ国中世界一住みやすい国に選ばれました。このセミナーは、札幌より北にある厳寒の地が、なぜ世界で最も暮らしやすいのか、その秘密を探ろうというものでした。
日本の総選挙(2009年8月30日)とほぼ同時に行われたノルウェーの総選挙(2009年9月14日)を取材した三井マリ子記者は、「秘密は民意を反映しやすい政治にある」と、語りました。
参考:
ノルウェー総選挙女性議員39%でも「少ない」
ノルウェー 新年から新婚姻法施行 同性婚が異性婚と同等に
日本の総選挙では、自民党の事実上の独裁体制が崩壊しましたが、ノルウェーは赤緑(左派)が政権を維持したそうです。ノルウェー国民は、スカンジナビアで、唯一、社会民主主義政権の続投を選んだのです。
三井さんは、こうした選択をした背景に、1)より平等に、2)より質素に、3)より自然に近く、というノルウェー人の価値観がある、と言います。他国に併合されたり、支配されたりしたノルウェー史をひもときながら、ノルウェー人の心の奥にある抵抗の精神も強調しました
弁護士を目指して三人の子供を育てる若きシングルマザーの生活を見てこの国の手厚い福祉政策を実感しました。
日本なら、子育てしながら大学を卒業するということは、経済的にはもちろん、子どもを預ける保育園の問題もあり、とても難しいものです。こうした暮らしやすさの背景に、政治とフツウの市民との近さがある、と三井さんは言います。
日本の選挙と違うのは、ないのは選挙カーでがなり立てる運動ぐらいで、他のありとあらゆる選挙運動が自由にできるということです。選挙期間というものがなく、いつでもしてもいいのです。さらに事前投票期間は2ヵ月間あります。戸別訪問もOKです。
★大人が参考にする中高生の模擬投票
また、中高生は「スクール・エレクション」といって、本番さながらに各政党の候補者を学校によんで演説会を開き、討論をした上で模擬投票します。教育委員会が、教育現場で政治意識を高めるための活動を、大いに奨励しているのです。中高生の模擬投票の結果は、いっせいにマスコミで報道されるそうです。しかも、その結果を大人が真剣に参考にするというのです。
政党も選択肢が非常に広く、今年の国政選挙には23政党から立候補したそうです。完全な比例制選挙のため、日本のように自民党か民主党かでないとほぼ当選不可能というわけではありません。 国会には7政党から当選者が出ています。
また、議員への立候補は供託金もなく、ごく簡単にできます。各政党は候補者名簿を作成する際、選挙区の定数以上の人をリストに載せなくてはいけません。従って、立候補する人はやたら多いのです。たとえばオスロ選挙区は定数17ですが、各党とも23人立候補者を立てています(写真)。選挙に立候補しても別に仕事を辞めなくていいので、気楽に名簿に乗っただけの人もいます。
国会議員の候補者選びは、各政党の地方支部における選考委員会で行われます。その点が、非常に日本と違います。極右の進歩党以外は一方の性が40%を下回らないようにするクオータ制を導入しています。クオータ制だけでなく、多くの政党の名簿は、上から、男性と女性が交互に並べるようになっています。その結果、国会議員に当選した女性は全当選者の40%でした。日本はわずか11%です。
質疑応答で、日本の選挙制度はやっぱりおかしい、という声が多く上がりました。一般市民からは選挙を遠ざけておいて、一部のひとたち(財界、高級官僚、地域の「土豪」など…)だけで物事を決める。それがまた政治不信を招き投票率が下がる。余計に組織票がモノを言う。こうした悪循環が、逆に言えばほぼ60年間続いた自民党独裁の強さだったのでしょう。
質疑応答の後、クオータ制の実現をめざす会の吉川冨士子さんが、アピール文を読み上げ、満場の拍手で採択されました。あらゆる政策決定の場に女性を参画させ、女性も子どもも住みやすい町づくりをめざすため、「日本の真ん中・愛知から女性議員を増やそう」という宣言でした。
なお、日本では、民主党幹事長・小沢一郎さんの提案により、選挙運動の全面自由化が来年参院選から実施される運びではあります。
★「選挙活動自由化」と「企業献金禁止」で自立した日本人に
また、民主党は候補者を公募しています。これにより、政治が一歩フツウの市民に近くなるかな、と期待しています。さらに小沢さんの強い指導力により、2007参院選、2009衆院選では、民主党は女性や若者、非正規労働者出身の議員候補を擁立し、今までにない人数を当選させています。
日本の風土では候補者選定を地元に任せていたら、おそらく候補者は男性のエライ人ばかりになってしまいます。小沢さんの強い指導力は現段階では必要ですが、個人に頼らないで済むようなシステムを整備していくことが今後の課題だと思います。
三井マリ子記者の「ノルウェー国政選挙レポート」の詳細はノルウェー王国大使館Webをご覧ください
■第3回 平等を大切にする国民性
http://www.norway.or.jp/news_events/news/election_report3/
■第2回 争点は高齢者サービス 女性が支える福祉社会
http://www.norway.or.jp/news_events/news/election_report2/
■第1回 赤緑政権の続投
http://www.norway.or.jp/news_events/news/election_report1/
日本も早くこんな国になりたいものと思いました。是非読んでみてください。
(ネット虫)
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11月21日、「なごやボランティアNPOセンター」で、「世界一住みやすい国ノルウェーに学ぼう」(「クオータ制の実現をめざす会」主催、ノルウェー王国大使館後援)がありました。取材した三井マリ子記者の報告です。
国連開発計画UNDPによると、今年も、ノルウェーは182カ国中世界一住みやすい国に選ばれました。このセミナーは、札幌より北にある厳寒の地が、なぜ世界で最も暮らしやすいのか、その秘密を探ろうというものでした。
日本の総選挙(2009年8月30日)とほぼ同時に行われたノルウェーの総選挙(2009年9月14日)を取材した三井マリ子記者は、「秘密は民意を反映しやすい政治にある」と、語りました。
参考:
ノルウェー総選挙女性議員39%でも「少ない」
ノルウェー 新年から新婚姻法施行 同性婚が異性婚と同等に
日本の総選挙では、自民党の事実上の独裁体制が崩壊しましたが、ノルウェーは赤緑(左派)が政権を維持したそうです。ノルウェー国民は、スカンジナビアで、唯一、社会民主主義政権の続投を選んだのです。
三井さんは、こうした選択をした背景に、1)より平等に、2)より質素に、3)より自然に近く、というノルウェー人の価値観がある、と言います。他国に併合されたり、支配されたりしたノルウェー史をひもときながら、ノルウェー人の心の奥にある抵抗の精神も強調しました
弁護士を目指して三人の子供を育てる若きシングルマザーの生活を見てこの国の手厚い福祉政策を実感しました。
日本なら、子育てしながら大学を卒業するということは、経済的にはもちろん、子どもを預ける保育園の問題もあり、とても難しいものです。こうした暮らしやすさの背景に、政治とフツウの市民との近さがある、と三井さんは言います。
日本の選挙と違うのは、ないのは選挙カーでがなり立てる運動ぐらいで、他のありとあらゆる選挙運動が自由にできるということです。選挙期間というものがなく、いつでもしてもいいのです。さらに事前投票期間は2ヵ月間あります。戸別訪問もOKです。
★大人が参考にする中高生の模擬投票
また、中高生は「スクール・エレクション」といって、本番さながらに各政党の候補者を学校によんで演説会を開き、討論をした上で模擬投票します。教育委員会が、教育現場で政治意識を高めるための活動を、大いに奨励しているのです。中高生の模擬投票の結果は、いっせいにマスコミで報道されるそうです。しかも、その結果を大人が真剣に参考にするというのです。
政党も選択肢が非常に広く、今年の国政選挙には23政党から立候補したそうです。完全な比例制選挙のため、日本のように自民党か民主党かでないとほぼ当選不可能というわけではありません。 国会には7政党から当選者が出ています。
また、議員への立候補は供託金もなく、ごく簡単にできます。各政党は候補者名簿を作成する際、選挙区の定数以上の人をリストに載せなくてはいけません。従って、立候補する人はやたら多いのです。たとえばオスロ選挙区は定数17ですが、各党とも23人立候補者を立てています(写真)。選挙に立候補しても別に仕事を辞めなくていいので、気楽に名簿に乗っただけの人もいます。
国会議員の候補者選びは、各政党の地方支部における選考委員会で行われます。その点が、非常に日本と違います。極右の進歩党以外は一方の性が40%を下回らないようにするクオータ制を導入しています。クオータ制だけでなく、多くの政党の名簿は、上から、男性と女性が交互に並べるようになっています。その結果、国会議員に当選した女性は全当選者の40%でした。日本はわずか11%です。
質疑応答で、日本の選挙制度はやっぱりおかしい、という声が多く上がりました。一般市民からは選挙を遠ざけておいて、一部のひとたち(財界、高級官僚、地域の「土豪」など…)だけで物事を決める。それがまた政治不信を招き投票率が下がる。余計に組織票がモノを言う。こうした悪循環が、逆に言えばほぼ60年間続いた自民党独裁の強さだったのでしょう。
質疑応答の後、クオータ制の実現をめざす会の吉川冨士子さんが、アピール文を読み上げ、満場の拍手で採択されました。あらゆる政策決定の場に女性を参画させ、女性も子どもも住みやすい町づくりをめざすため、「日本の真ん中・愛知から女性議員を増やそう」という宣言でした。
なお、日本では、民主党幹事長・小沢一郎さんの提案により、選挙運動の全面自由化が来年参院選から実施される運びではあります。
★「選挙活動自由化」と「企業献金禁止」で自立した日本人に
また、民主党は候補者を公募しています。これにより、政治が一歩フツウの市民に近くなるかな、と期待しています。さらに小沢さんの強い指導力により、2007参院選、2009衆院選では、民主党は女性や若者、非正規労働者出身の議員候補を擁立し、今までにない人数を当選させています。
日本の風土では候補者選定を地元に任せていたら、おそらく候補者は男性のエライ人ばかりになってしまいます。小沢さんの強い指導力は現段階では必要ですが、個人に頼らないで済むようなシステムを整備していくことが今後の課題だと思います。
三井マリ子記者の「ノルウェー国政選挙レポート」の詳細はノルウェー王国大使館Webをご覧ください
■第3回 平等を大切にする国民性
http://www.norway.or.jp/news_events/news/election_report3/
■第2回 争点は高齢者サービス 女性が支える福祉社会
http://www.norway.or.jp/news_events/news/election_report2/
■第1回 赤緑政権の続投
http://www.norway.or.jp/news_events/news/election_report1/