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随筆紹介、もうひとつ

2013年01月14日 21時49分05秒 | 文芸作品
『   工場で爆発
                                  中野 四平

 先日、兵庫県の日本触媒でアクリル酸の製造タンクが爆発した。現場で消火活動中の消防署員一人が死亡、警察官を含む三十人が重軽傷を負った。このうち消防署員の負傷者は、じつに二十三人であることに注目したい。
 このニュースをテレビでみて、アクリル酸がタンク内で重合反応を起こしたに違いないと思った。私は、二十五年間工場でアクリル酸などの重合反応をやってきたからである。
 日本触媒の最大の失敗は、安全管理者が外部の人に対する安全を考えていなかったことである。危険物を大量に取り扱う工場では、火災が起きたら、まず、門の前で工場の責任者が消防隊の入場を停める。そして、消防の指揮者に危険物の性質を説明し、タンクに近づかないように連絡すべきである。それから入場してもらう。それが、鉄則である。
 消防署員は消火を任務としているので、火を見たらすぐ消したがる。今回も、タンクの近くで消防車両が二台炎上していた。これをみると、消防隊員がいかに危険なタンクに接近したかがわかる。
 以前、私の工場で火災が発生した。門の前で、消防署員に、水をかけたらよけい火災が大きくなると注意した。それにもかかわらず、注水しようとしたので、怒った作業員がスパナを投げつけた。これが体に当たり、消防署は激怒した.しかし、よく鋭明して了解してもらった覚えがある。
 もし、門のところで、アクリル酸の説明をしていたら、あんな惨事にはならなかった。そう確信している。』

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