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マスコミ報道の歪み(6)また、シリア内乱で  文科系

2018年02月07日 10時38分54秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 日本マスコミのシリア報道については、もうウンザリを通り越して呆れるばかり。そもそも内乱が起こっている国で、反政府側に立った報道ばかりを何故こうも延々と流し続けてきたのか。国連も認めた政府を悪と描き、この政府を支援するイラン、ロシアも悪と描く。一国の要請に基づいて支援するのが合法でなければ、安保条約など成り立たないはずなのだ。そんなニュース専門で反政府側の旗幟鮮明な得体の知れぬ在外団体の存在。「シリア人権監視団(ロンドン)」? そもそも、他国でこんな団体が存在したら、人はどう思うかと考えてみたらよい。「日本人権監視団」??
 日本で内乱が起これば自衛隊が徹底鎮圧するように、一国に内乱が起これば、そりゃ何でもありになる理屈だ。その結果だけを一方側から見て「かくも残虐!」とやれば、天使も悪魔に描けるだろう。 

 そんなニュースが今日もこんな見出しであった。
『シリア政府軍 空爆激化 2日間で市民75人犠牲』
 ニュースの出所は例によってカイロ特派員。彼の頼りは例によって、「日本人権監視団」ならぬ「シリア人権監視団によると・・・」とあった。内乱のある国では、せめて両当事者と国連情報だけを流すべきではないか。

 「シリア人権監視団」をウィキペディアで読んでみると、こんな下りもあった。
『フランス通信社はシリア人権監視団に対して無視できない情報源と評価する一方、同社主要特派員には「この団体が信頼できない組織だということははっきりわかっているが、この世界は競争が激しいから、われわれはそれでも彼らの数字を流し続ける。」と話す者もいるという[4]。例えば、2012年5月25日、シリア西部ホムス近郊のホウラで108人が死亡した事件(ホウラ虐殺)について、この団体は最初、政府軍の砲撃により90人死亡と伝えていた[5]。ところが、国際連合とアラブ連盟の委託を受けた監視員らが5月29日に確認したところ、犠牲者のほとんどは鉈・鎌・剣などの刃物によって殺害されていたことがわかり、国連は同日、虐殺のあった地区が反政府軍に掌握されていたことを明らかにした[4]。』

 シリア・アサド政権の「悪事」「化学兵器使用」は何回もあったとしてあまりにも有名だが、国連がこれを実証できたものは、つい最近の1回だけで、それも完全な実証とは言えないと読んだ覚えがある。


 日本の外信記事は、偏っている。新聞社がじり貧で特派員が少ないかして、これに頼るテレビも含めて、困難な問題の核心を突く外信部調査報道などは、「特報」を除いては皆無に近いのではないか。日本マスコミがこんなでは、日本人の政治判断がますます島国根性になっていく。国際金融が動かしているグローバル時代は、外国のことが正確に分からないと、国内政治でさえ正しい判断は何も出来ないと思うがどうだろうか。

 
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書評「アベノミクスによろしく」(3)第4~5章各末尾、著者の「まとめ」  文科系

2018年02月07日 10時26分07秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 この本の各章末尾に著者によるその章の「まとめ」があって、前回からそれを書き写して内容要約としています。今回は4,5章。8章にはまとめがありませんから、残りは、6、7章になります。

「第4章 GDPかさ上げ疑惑」のまとめ

①GDPが改定され、数字が大きくかさ上げされた。その要因は、「2008SNA対応によるもの」と「その他」。
(文科系注 「SNA対応」とは、GDP算出の国際基準変更のことで、1993年基準から2008年基準へと変わった。が、日本の場合は、これ以外の上記「その他」が極めて多かった)
②「その他」のかさ上げ額は、アベノミクス以降だけが桁違いに突出している。アベノミクス以前の「その他」かさ上げ額は平均するとむしろマイナスであり、特に1990年代が大きくマイナスになっている。
③改訂によって、アベノミクス失敗を象徴する5つの現象のうち4つが消失。そして、2016年度の名目GDPは史上最高額を記録。
④「2008SNA対応」を隠れ蓑にして、それと全然関係ない「その他」の部分でかさ上げ額を調整し、歴史の書き換えに等しい改定がされた疑いがある。

「第5章 アベノミクスの『成果』を鵜呑みにしてはいけない」のまとめ

①雇用改善は、生産年齢人口減少、医療・福祉分野の大幅な需要拡大、雇用構造の変化(非正規雇用の増大)によるもので、民主党政権時代から続いていた傾向。アベノミクスは無関係。
②株価の上昇は、日銀(異次元の金融緩和、ETF爆買い)とGPIF(年金資金投入)によるもので、実体経済を反映していない。公的資金投入をやめると暴落は必至。
③円安の恩恵を一番受けた製造業ですら、実質賃金は大きく下落。
④賃上げ2%を達成できたのは、全労働者のわずか5%程度。労働組合組織率が低いことも影響して、そもそも日本は賃金が上がりにくい構造になっている。


(続く)
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