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随筆紹介  万葉からだ歌(一〇)  「指」折り数えて   文科系

2015年12月17日 11時14分29秒 | 文芸作品
 万葉からだ歌ー(一〇) 「指」折り数えて   N・Rさんの作品です

  
秋の野に咲きたる花を指折りて
 かき数ふれば七種の花
(巻八―一五三七)
  ──咲きたる花を足元から指折り数えたら、尾花、なでしこ、おみなえしと七種もあった。──

 指の古形は”および”「よ」は数えるという意味の数むからきたもの。古代から正確に数をたしかめるために指を折り、ひとつ、ふたつとはっきり声に出してきた。
『源氏物語』の一文でも「このたびは負けたり」と指を折って碁の目を数えている。

 指には、それぞれに自然と生活文化を繋ぎ、命を大切に守るための名前がつけられていた。特に薬指がそれで、薬学史の中でも「薬を服し、紅を口にさすは薬指を用いること」── になっていた。
 この指は一番自己主張が弱いので、薬的やさしさが必要とされた。一本だけ出そうとしても、他の指のようには思い通りに動かない。ピアノを弾いたり、パソコンを使っている人なら、誰もがよく知っている。
 もう一つ、弱いから愛をそえる意味で、婚約、指輪も、この指にさす。誓いごとも、指をからめての姿。薬の呼び名がついたのはいつごろからだろうか。
 これはなんと、万葉びとの後期からで、愛する女の髪の乱れに男が指櫛をそえる。あるいは指をからめて愛をたしかめあっている詩歌は多い。これが薬を服し、紅をさす指となったのは平安時代。
 指を鳴らして骨を折ったとか、骨折り損──は指が発したからだ言葉。

 昔、むかしから、最も指のいやらしい姿は”後ろ指をさす”だった──というのも面白い。
コメント (1)
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