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新聞の片隅に載ったニュースから(93)    大西五郎

2013年06月14日 09時02分42秒 | Weblog
維新・中津川氏辞退を正式表明「落選なら破産の恐れ」(2013.6.12 朝日新聞)

 日本維新の会の参院選比例区で公認内定していた中津川博郷前衆議院議員(64)が11日、都内
で開いた政治資金パーティーで、立候補を辞退する意向を表明した。維新が内定した参院選公認の辞退、取り消しは5人目。中津川氏は朝日新聞の取材に「維新への支持が下がり、落選して供託金が没収されたら破算する」と説明した。参院選比例区の供託金は600万円で、維新は候補者に自己負担させている。

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 中津川氏は東京・江戸川区議を経て新進党の結成に参加し、1996年の衆議院議員選挙に地元の東京16区から出馬しようとしました。しかし党が他の候補を公認すると決めため、隣の千葉5区(市川市=一部は6区と浦安市)から立候補して落選。その後民主党に入党。2000年の衆院選で東京16区(江戸川区の大部分)から立候補しました。選挙区では落選しましたが重複立候補した比例東京ブロックで当選。以後3期民主党の衆院議員を務めました。昨年末の選挙では、民主党を離党して維新の会から立候補しましたが落選。今度の参院選挙には維新の会の比例候補となることが内定していました。
 朝日新聞の記事には「維新が内定した参院選公認の辞退、取り消しは5人目」とありますが、
維新の会ではこの他千葉選挙区で公認となった我孫子市議が準備不足を理由に辞退し、代わりに
新人で医師の中田敏博氏を候補にきめましたが、橋下徹氏の慰安婦問題発言から参院選での維新の会とみんなの党との選挙協力が解消したことを理由に候補者を辞退しました。当選が危ぶまれる事態になったためといわれています。維新の会は中田氏を除名しました。
 また、比例代表候補に決まっていた松本和己氏と松本鉄平氏も候補者を辞退しました。松本和己氏は2006年の衆院選に千葉7区(松戸市の一部、野田市、流山市)で当選したいわゆる小泉トルドレンの1人ですが、選挙中の出納責任者の選挙違反有罪が決まって辞任しました。自民党を離党し、昨年末の衆院選に維新の会から東京2区(中央区、文京区、台東区)で立候補しましたが落選。今度は参院選に立候補しようとしました。松本和己氏は「橋下代表の慰安婦発言は許せない」を辞退の理由としています。松本鉄平氏は年末の衆院選に東京23区(町田市、多摩市)に立候補して落選しました。
 候補者を辞退する理由はさまざまですが、橋下代表の慰安婦発言で維新の会の支持率が下がり、当選が難しくなったというのが本当のところでしょう。中津川氏のコメントがそのことを正直に述べています。それと多くの辞退者に共通しているのは、以前所属していた政党から維新の会に移ったことです。「新聞の片隅に載ったニュースから」№89で、橋下氏が「維新の会が有権者からそっぽを向かれ、このままなら年内に維新の会が消滅することもあり得る」と述べ、要因として「組織が大きくなり、国会議員も入って全国各地で公認候補を出すことになった途端に、選挙で議席を得ることが目的という『選挙屋』になっている」と分析したという中日新聞の記事を紹介しましたが、橋下氏のこの分析が的を射ているのでしょうね。

                                       大西 五郎
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ザックジャパン(86) 本田、香川を巡る議論の盲点  文科系

2013年06月14日 01時58分28秒 | スポーツ
 標記のことを熟考し、合わせてそこから、間もなく現れる新ザックジャパンについて、僕の夢想を記してみたい。

 本田、香川の(トップ下)起用法をめぐる日本の議論には、欠落している視点があると僕は思い続けてきた。「今の日本では、本田がいないとボールが納まらない」と語る議論である。こういう論者に僕はこんな質問をしてみたい。じゃ、なぜドルトムントは香川をトップ下としてあれだけ使えたのか。今では世界第2位クラブと言っても良いはずのこのチームの監督、ユルゲン・クロップもつい先日もこう語っていたではないか。
『香川は、トップ下がベスト。それが、マンUではトップ下で20分とかなんて、涙が出てくるよ』
 こう語るクロップなら、日本代表チームの現状についても同じことを言うはずだ。つまり、香川はトップ下で使わなければ、実にもったいないと。またマンUのファーガソン監督も香川のトップ下にあれだけ拘ってきたのは何故か。そして、その起用が上手くいかなかったゲームでは、「香川ではなく、彼を使えない回りが悪い」と言い続けてきたのは何故か。このファギーも代表トップ下香川をこう評すること確実と思われる。
「香川ではなく、彼を使えない回りの代表が悪い」
 結論を言うと、この二人の名監督は世界最先端の中央突破法を開拓しつつあるのである。タメを作るのではなく細かいパスやドリブルでそこを突破していくやり方である。これを切り開いたのはバルサ、次いでドルトムントとバイエルンがこれに続いてきた。ドイツとイングランドの強いチームいくつかではすぐに、この中央突破がスタンダードになっていくはずだ。

 さて、浪人中にバルサまで出かけていって学んだこともあり、賢くって細心のザックは、この議論や動向は先刻ご承知。これから新たな(世界仕様の)チーム作りに着手する時に、クロップやファギーがこれだけ評価する香川ら日本選手の特徴をこそ生かして、この道を歩むに違いないと僕は確信している。ザックは、予選突破の後にコンフェデレーションカップが終わったら、メンバー刷新を図ると語ったのだが、さて、こういう構想からどんなチームが出来るのか。それを決定するものが、コンフェデのブラジル、イタリア、メキシコに何が通用して、何が通用しないかという「実験」結果資料であるだろう。
 さてしかし、現代表にも世界仕様を考える財産は存在する。去年9月の遠征、フランス、ブラジル戦だ。マイナス思考の日本人は、あのブラジル戦だけを考えるが、僕はむしろフランス戦の方を見つめてみたい(ちなみに、このフランスは数日後にワールドカップ予選をスペインと戦って引き分けている)。フランス戦では立派に守備が機能したのだし、ブラジル戦は賢い人ならこう観たに違いないからだ。ブラジル相手にはリスペクトを欠くほど大胆な闘いを演じたわけだが、あれはザックに何かの考えがあってのことだろうと。元鹿島のジョルジーニョや同じくオリベイラがそう語っていたのを読んだ覚えがある。彼らは相談したわけでもないのに失点について同じ講評をしていた。大きい意味を持った失点ではなく、言わば攻め過ぎとディテールとでの失点であると。
 さてこの二人、これも示し合わせたわけでもないだろうにさらに面白いことを語っている。4-2-3-1が良いと言った上で、ワントップはこの遠征では故障・不在であった前田であると。オリベイラはこう語った。
『ボールがしっかり収まり、決定力も備えたCFがいれば、私は4-2-3-1がいいと思う。私のCFのファーストチョイスは前田だ』(「サッカー批評 第59号」44頁)
 そして、ジョルジーニョが当日のワントップ(ゼロトップ)本田と日本のトップ下とに関わっては、こんな面白いことも語ってみせる。
『最前線に入った本田圭佑は何本かシュートを放っていたが、本来、前線でタメをつくるタイプの選手ではない。香川真司と二人でスピードを活かして前を向いて飛び出していく・・・そういったいつものイメージで戦ったほうがセレソンにとっても脅威だっただろう』(ナンバー815 11月8日号 30頁)
 このジョルジーニョの言葉は当然、先述の「タメでなく、速く細かい連係での中央突破」という新潮流をも意識しているはずだ。

 アジアでは日本は最大限にリスペクトされる。そのトップ下には1.5人ほどのマークが常にある。対して、世界の基本は「1対1」だ。この「1対1基本」に対する日本のメリットこそ、スピードであり、その持続力である。具体的に言えば「世界最高速で走りながらの、トラップ・パス技術」と言える。これこそ香川最大の特徴であり、乾や清武がドイツチームで柱になり得ている日本的長所なのだと観る。逆に、日本の点取り屋・岡崎にドイツで得点がないのは、彼がフリーになっているのをドイツでは見逃すからだと、憲剛などは笑っているほどだ。すると次に、以上のように前線を活かす後ろからのパスが何よりも必要になる。止まった足元へのパスなどでは、ボールキープもままならないだろう。狭いスペースを最高速で走っているその足先への、良いトラップ一発でゴールに流し込めるようなパス。ちょうど、オカちゃんがピンポイントでダイビングヘッドを狙い得るような、そういったパスである。そんなパス交換でまた、敵陣を突破し、崩していく。こういう号砲として、初めに中盤からこれが最も上手く出せるのは憲剛、次いでかなり落ちて長谷部だと観てきた。

 最後に、以上の結論としての新構想である。ザックの今までの重要コンセプトは当然の前提となる。すなわち、①ワントップは深さをつくり、敵DFラインを下げる役割も。ウイングはまず左右に張り出して、敵を横に広げる役割も。②こうして敵を縦横に広げた所へ、サイドからと、上記の「中央突破」とを図る。サイドチェンジも使って、右から攻めたら左で、左から攻めたら右で決めるというように。その際、岡崎のダイアゴナルラン(斜め走り)飛び出しは極めて貴重なものだ。③ドルトムントのゲーゲンプレスではないが、高いコンパクト陣形で敵を左右に追い込んだボール奪取が第一の守備作戦である。ダッシュを繰り返し、敵ボールを集団奪取できる選手がレギュラーの第一条件ということだ。高い位置でボールが奪えれば、①を前提とした②の「(ボール収めなし)集団中央突破」も極めてやりやすいというものである。
 そんなわけでメンバーはこう。①~③のようなコンセプトを語らないで選手推薦をする評論家の声などには、耳を傾けるべきではない。そんなのはフットボールの場合所詮個人能力着眼の思いつきに過ぎぬはずだ。トップは前田。香川のトップ下に、両脇は清武と岡崎と乾から二人。守備向上次第だが、先発は岡崎から乾に代わるかも知れない。なんせ今の乾は、ブンデス随一攻守のダッシュをくり返せる選手になりおおせたのだから。また、先述の「中央突破」には、岡崎とはまた違った正攻法の味が出せる人材と見た。
 さて、ボランチが非常に難しい所だが本田と遠藤というのが僕のチョイス。読みを活かしたポジション取りが第一の基準、次いで戦術眼とパス力を買った。本田の強さや機を見た飛び出し・得点力もここでこそ活かしたいとも。ディフェンスは今の4人でも良いが、吉田のスピード不足が気になる。高橋に取って代わる力を付けて欲しい。強さもスピードもあるのだから。
コメント (9)
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