新聞の片隅に載ったニュースから（53） 大西五郎

新聞の片隅に載ったニュースから（53）

　　日テレ告知（占い師出演）は「裏切り」ＢＰＯ (2012.10.5中日新聞）

　放送倫理・番組向上機構（ＢＰＯ）の放送倫理検証委員会は四日、日本テレビのバラエティー番組「芸能★ＢＡＮＧ　ザ・ゴールデン！」が「不適切な言葉を多用し、過剰な演出で視聴者をあざむくなど、放送倫理に反した」とするウ意見書を公表した。
　番組は五月四日に放送され、女性お笑いタレントと占い師の同居騒動を特集。新聞のテレビ欄や番組内で占い師本人が登場するかのように告知したが、実際に登場したのは別の占い師だった。
　意見書は、この演出が「表現の行き過ぎ」などではなく、視聴者への「裏切り」だったと指摘。川端和治委員長は記者会見で「（演出を信じた視聴者をダシに使い視聴率を稼ごうとした。視聴者に対する愛が根本的に欠けていた）と述べた。
　日本テレビは「指摘を重く受け止め、視聴者の皆さまの信頼回復に全力で取り組む」とのコメントを出した。

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　この問題は「新聞の片隅に載ったニュースから」の№29で、日本テレビの大久保社長が記者会見で「演出が過剰だったと思う」と述べたことを紹介し、これは「過剰な演出」で済まされる問題ではなく、「虚偽の告知」で放送倫理上許されないことであるとコメントしました。

　ＢＰＯのホームページに「10月４日放送倫理検証委員会日本テレビ『芸能★ＢＡＮＧ　ザ・ゴールデン』に関する意見を通知公表」というコーナーがあり、委員会決定が読めます。
　委員会には日本テレビからチーフプロデューサー、制作局長、コンプライアンス推進室長の三通の報告書が提出されましたが、制作担当者は問題の占い師が出演が難しい状況だったのに、あたかも本人が出演するように告知したことについて、「タレントと同居している占い師が登場すると誤解した人がいるとしても、番組を見ていただければ、必ず満足していただけると確信していた。」「１人でも多くの視聴者に楽しんでもらおうという思いが強すぎて、行過ぎてしまった。」などと書かれていました。

　委員会はこれに対して、「行き過ぎとは、目的地を越えて通り過ぎること、度を越して対象に関与することだが、本件制作者が『行き過ぎ』だったと云う時、視聴者の姿をちゃんととらえていたか。視聴者に対する愛情や敬意はあっただろうか。視聴者に対してタカをくくり、ダシに使って数字（視聴率）を稼ごうとした、ということではないのか、とテレビ局側の慢心を諌めています。そしてＮＨＫと民放が定めた「放送倫理基本綱領は、「放送は適正な言葉と映像を用いると同時に、品位ある表現を心掛ける」ことを求めている。民放連の放送基準も「ドキュメンタリーや情報番組においても虚偽や捏造が許されないことはもちろん、過剰な演出などにならないように注意する」としていると指摘しています。
他局の番組制作者もこれを「他山の石」として真摯な制作態度を求められています。
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ザックジャパン（４５）遠征代表発表で 文科系

　１０月ヨーロッパ遠征代表メンバーで、サンケイと日刊のスポーツ・サイトから、二つの記事をご紹介する。一つは乾貴士の、もう一つは長谷部誠の記事だ。香川とともに今をときめく前者は当然としても、後者は巷の談義を一蹴したザックの言葉がとても面白く、我が意を得たりの思いだった。長谷部誠をめぐるこの論議は、ザックジャパン前４４回でも名無しさんと僕との間でちょっと起こった。長谷部への僕の高評価は、彼が前から僕にイチャモン付けている点でもある。今上り坂、世界２位のドイツで、ドイツ人を押しのけてボランチ・レギュラーを勝ち取るのがどれだけ難しいことか。そんな判断が出来ない人も日本には多いらしい。
　なお、乾貴士が移籍したとたん、フランクフルトは大躍進。現在バイエルンとドルトムントに挟まれたリーグ２位である。首位のバイエルンの勝ち点１８を、１６で追っていて、確か無敗のはず。やはりやはり、日本の攻撃的中盤の世界的高水準が示されたということ。香川と言い、清武、乾と言い、セレッソ大阪の育成とクルピ監督の指導方に大注目と強調したい。


2012年10月5日 08:00 (サンケイスポーツ)
絶好調ＦＷ“乾”招集！強豪２連戦に大抜擢
　日本サッカー協会は４日、欧州遠征のフランス戦（１２日＝日本時間１３日、パリ近郊サンドニ）、ブラジル戦（１６日、ポーランド・ウロツワフ）に臨む日本代表２３人を発表。ＦＷ乾貴士（２４）＝フランクフルト＝が今年２月以来の復帰を果たした。左足親指の負傷で離脱中のＦＷ岡崎慎司（２６）＝シュツットガルト＝に代わり、代表最多となる１３人の欧州組の１人として名を連ねた乾に、アルベルト・ザッケローニ監督（５９）が大きな期待を寄せる。

　親善試合ながらテスト色の薄い、おなじみの顔ぶれが並ぶ中、ひとり異彩を放っていた。ＦＷ乾が２月のＷ杯アジア３次予選・ウズベキスタン戦以来、約８カ月ぶりに復帰。ドイツを席巻する新鋭が強豪との２連戦に抜擢（ばってき）された。
　「呼ばれていない時期でも代表のスカウト網に入っていたし、注目して見ていた。彼が持っている高いクオリティを代表でも見せてほしいと思っているし、代表に貢献してほしい」
　欧州滞在中のザッケローニ監督が日本協会を通じて取材に応じ、選考の理由を説明した。

　今夏ドイツ２部・ボーフムから１部のフランクフルトにステップアップした乾。ＭＦ香川真司、ＦＷ高原直泰に並ぶ日本人３人目の３戦連続ゴールを決め、昇格したばかりのチームの開幕６戦無敗、２位浮上に貢献。同じＪ１・Ｃ大阪出身として「ネクスト香川」と地元紙で特集されるなど、一躍注目を集める。

　ザック・ジャパンでの出場は１試合。５月には欧州組合宿に帯同しながら代表を外れるなど、決して厚遇されてきたわけではない。しかし、常々決定力への不満を口にするザック監督は、チーム得点王のＦＷ岡崎が負傷離脱する中、勢いに乗る乾の再招集を決断。９月３０日のフライブルク戦を自ら視察するなど、決定力向上の“切り札”として白羽の矢を立てた。
　「代表には行きたいけど、まだまだこれじゃ難しい」と厳しく自己評価していた乾だが、フランス、ブラジル相手に存在感を示せば一気のレギュラー奪取も夢ではない。ブラジルＷ杯のピッチを目指し、大ブレーク中の２４歳が香川、清武ら群雄割拠のサイドアタッカー争いに割って入る。


2012年10月5日 07:22 (日刊スポーツ)
ザック監督「長谷部は真面目」と心配せず

日本協会は４日、欧州遠征の親善試合フランス戦（１２日、サンドニ）、ブラジル戦（１６日、ウロツワフ）に向けたメンバー２３人を発表した。

アルベルト・ザッケローニ監督（５９）は１０年１０月８日のアルゼンチン戦以来となるＷ杯優勝国との対戦に向け「経験したことのないようなシチュエーションに遭遇するかもしれない。これまでよりも守備で注意を払う時間が多くなる」とコメントした。さらに「フランスもブラジルもＷ杯で優勝しており、自分たちに何が足りないか把握したい」と、２連戦の狙いを明かした。所属クラブで出場機会のない主将のＭＦ長谷部誠（２８＝ウォルフスブルク）については「非常に真面目な選手。真剣に練習に励んでいる姿も想像できる」と、心配していなかった。

国会のプロテクトがなきゃ 殺されますね。あんなことまで言ったのだから。 只今

　　３、１１に関する四つの事故調報告書が出ました。
　　その中で、東電と国の責任を最も痛烈に指摘している報告書は、国会事故調の報告書でした。
　　その内幕を、田中三彦さんは次のように語っています。(『SIGHT』53号)

●どうして田中三彦さんは委員になれたのか？
　田中さんが推察するに、科学技術推進委員会委員長だった川内博史議員の推薦があったのではないかと。
　　※川内博司(民主党)議員は、原子力協定、消費税増税法案に反対し、国土交通委員会委員長を辞任。

●どうして「原発事故は人災」と断じることが出来たのか？
　１０人の委員のうち、はっきりと反原発の立場にたつ委員は
　石橋克彦(地震学)氏と田中三彦(福島第一原発４号機の設計者)　そして崎山比早子(放射線学)の３人だけ。
　だから、「今後は絶対安全な原発を目指さねばならない」といった報告書になったら、机をひっくり返して辞めることになるのかなぁ、と田中さんは思っていたという。
　しかし、そうはならなかった。理由は二つ。
　
　一つは、原発の今後のことについて触れるのは止めよう、
　というスタンスを黒川委員長始め各委員が保つことが出来たこと。

　二つ目は、事務方(霞ヶ関)に、換えがたい人を得たこと。田中さんの語り→
　『名前を言うのは控えますが、事務方にひとり凄い人がいた。この人はぼくの人生で出合った人の中でも、凄腕という意味ではトップですね。この人がもし、原発推進を背負っていたら、大変なことになったと思うけども、そういう動きを意識的に自制、抑制していた。逆に、原発反対という動きも抑制していた。
　そのひとは実質的に議長役をやって、仕切がすごく上手だった。誰かが危ないことを言うと、「それは調査範囲外の話だから」と止める。
　あの人がいなかったら、この報告書はできなかった可能性があります。「事故は人災」と踏み込みましたが、
　まぁ、国会のプロテクトがなきゃ、殺されますね。あんなことまで言ったら』
　
　　　★（１）　国会が委託したこの事故調報告書を、民主・自民両党は「読む」ことを拒否している。
　　　　（２）　原子力安全委員会メンバーに、何故この事故調委員を入れないのか。