OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

孤独な休日、実は楽しい♪

2006-01-28 17:21:07 | Weblog

今日は貴重な一人ぼっちの休日になりました。やりたいことは山の様です。もちろんメインサイトの更新作業も忘れていません。ちゃんと原稿を進めていますので、見捨てないで下さい。

そのバックに流していたのが、今月の新譜という、このアルバムです――

Softrock Drivin' 空と海とわたし (ビクター)

10年ほど前に出て、今や伝説になっているらしい和製ソフトロックのオムニバス盤「ソフトロック・ドライヴィン」シリーズの最新作です。

昭和45年前後の楽曲を中心に全25曲収録されていますが、その趣旨はボサノバ歌謡と中道コーラス歌謡という、リアルタイムでは時代に逆行していたお洒落なものです。

ただし個人的には全てが名曲とは断言致しません。これを聴いて気に入った作家や歌手を追いかける手掛りにするのが、理想かと思います。

で、私的なお目当ては「抱きしめて / 有沢とも子」と「愛しているから / 奈美悦子」の2曲です。

前者は梶芽衣子の妹で、姉はクールビューティでしたが、有沢とも子はファニーな愛嬌顔の憎めない美女でした。たしか映画にもちょい役で出演していましたが、歌手としては昭和44年、荒木一郎のプロデュースによるこの曲でデビューしています。

曲調は当時流行していたコーラスをいっぱい入れた西海岸ポップスですが、メロディのミソはフォーク歌謡という優れものです。特にサビの展開は哀愁モードが全開♪ バックの演奏ではタンブリンと華麗なストリングス、そしてシンプルに弾むエレキベースやドラムスが印象的で、多分、12弦と思われるギターが隠し味になっています。

肝心の有沢とも子の歌唱は、やや危ないところが逆に魅力という、所謂ヘタウマですが、好きですねぇ~。しかし残念ながらヒットしていません。そして彼女は「太田ともこ」と改名して再デビューするのですが、その辺りの経緯については付属解説書をご覧下さい。

もうひとつの「愛しているから / 奈美悦子」は昭和42年12月に発売された大名曲! 日活映画「スパイダースの大騒動」でも歌っており、それを観た私はこのレコードを欲しくてたまりませんでした。そしてもちろん、それは叶わず、今回ようやく欲望が満たされたわけです。

その曲調は典型的な昭和歌謡曲を、イギリス流ポップスで煮しめしたような、当時の日本でなければ生み出しえない傑作です。奈美悦子のボーカルもキュートなコブシと溜息まじりのセクシーな部分が絶妙にブレンドされた一世一代の名唱だと思います。

バックの演奏も分厚い男性コーラス、重たいストリングス、泥の上澄みのようなエレキギターの響きが、やや脂っこい彼女のボーカルを上手く中和させており、当にイントロから最後まで間然することがありません。これが「昭和」です。

このアルバムには他にも「真夜中のピエロ /  城千景」や「夜だから / 藤川昌子」といった、この手のオムニバスでは定番の有名ボサノバ歌謡曲が収録されています。また「カム・オン… ! / オリーブ」はサイケ・バンドがバブルガム・ロックを演じたような隠れ名曲ですので、要注意です。高速でドライブしまくりのエレキベースが物凄いです。

ということで、全篇、なかなかの名編集盤になっています。詳しい曲目についてはジャケ写からネタ元にリンクしてありますので、そちらをご覧いただきたいのですが、まだまだ表沙汰になっていない名曲が沢山あるのも、また事実です。おそらくマスターテープの状態や権利関係がネックになっているものと推察しております。

こうした問題点は以前のシリーズでも目立ち、当時から賛否両論でした。そのあたりも鑑みて、さらなる続篇に期待しています。ちなみにリマスターは良好でした♪

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする