OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

新しい盤も聴いています

2006-01-07 18:37:35 | Weblog

雪が半端ではありません。雪国の恐ろしさをおもいしらされている毎日です。地元の人の話では、冬本番はこれからとか……。クワバラクワバラ……。

ということで、本日はこれにしました――

You'll See ! / The Anniversary Quartet (Cellar Live)

新年ですから、新しいというか、現役バリバリのメンツによるアルバムも聴いてみましょう。

The Anniversary Quartet とは、カナダにあるライブハウス「セーラー・ライブ」の4周年祭に特別編成されたバンドで、メンバーはエリック・アレキサンダー(ts)、マイク・ルドンヌ(org)、ピータ・バーンスタイン(g)、ジョー・ファンズワース(ds) という、日頃から気心の知れた盟友達とあって、本当に伸びやかな演奏になっています。ちなみに録音は2004年でしょうか、もちろん「セーラー・ライブ」での実況録音盤です。

1曲目の「After The Love Has Gone」はAORの名曲だと思いますが、ここではゆる~いドドンパのリズムで処理されているので、全体に何となくオトボケ気味……。はっきり言うと肩透かしです。これでいいのか……?

2曲目の「11 Years」はアップテンポのモード曲で、なんとなく1960年代後半のブルーノートっぽいカッコ良さがあります。エリック・アレキサンダーもバリバリ吹きまくっていますが、私が何時も不思議に思うのは、この人の歌心の無さで、あえてそういう部分を避けて演奏していると解釈するぺきでしょうか……。本当に無機質というか、美味しいフレーズを吹かないんです。ここでもそれは何時もどおりです。

しかしピータ・バーンスタインは違います。何気なく弾いているようですが、実はかなり構成を考えているように感じます。それとオルガンのマイクがディープ・パープルのジョン・ロードしているところは、ご愛嬌で♪

3曲目はJ.J.ジョンソンが作曲した、モダンジャズでは泣きの名曲というスローな「Lament」ですので、本来はエリック・アレキサンダーがお約束のムード満点なテナーの真髄を聴かせなければならないはずですが、なんとここではハードにブローするばかり……。全く無機質なんですねぇ……。そしてそれにつられて、ピーター・バーンスタインまでもが、頑なにテーマを処理するのですから???です。

あぁ~、つまんないなぁ……、というところで始まるのが4曲目の「You'll See」で、これはアップテンポのハードバップ♪ ようやくバンドのエンジンがかかって来たという雰囲気ですから、エリック・アレキサンダーの硬質なスイング感が活きています。

それは続く5曲目のスタンダード「Delilah」を、レア・グルーヴのファンキー・アレンジでブチカマシてくれるところで一気に開花します。ただしマイクのオルガンのノリがイマイチなので、欲を言えば、ここはエレキ・ベースを入れてブリブリに演奏して欲しかったところです。それでもエリック・アレキサンダーは全開ですし、ジョー・ファンズワースのドラムスはシャープなので、まあ合格でしょう。

ちなみに演奏メンバーは全員が白人なので、全体にライト感覚が出すぎているキライがあります。しかしそれが現代のジャズかもしれません。悪く言えば、黒人ジャズの表面だけ撫で回して形式を真似ているに過ぎないと思います。実際、本場では黒人のジャズメンの方がギャラが高いと言われていますし、嘆かわしいところではありますが……。

そういうジャズ魂を試されるのがオーラスの「Cherokee」です。この曲はスタンダードですが、モダンジャズを創出した天才=チャーリー・パーカー(as) はこの曲のコード・バリエーションを研究してビバップを生み出したと言われていますので、特にサックス吹きは避けて通れないはずです。

で、ここではエリック・アレキサンダーがアップテンポで無伴奏のブレイクを積み重ね、根性をみせています。そのスリルは本当にジャズの醍醐味♪

こうして盛り上げておいて、ラストはグルーヴィなブルースが短く演奏されます。しかし、個人的にはこういうところを、もっとやって欲しかったんですがねぇ……。

ということで、特に凄い演奏というわけではありませんが、現代ジャズ・シーンの氷山の一角をという趣旨です。私はけっして昔は良かったね……、という主義ではありませんが、こんな上っ面の演奏が主流になっている今の北米ジャズ界には???です。これでは皆、欧州物に走ってしまうのも無理からんところ……。まあ、いいか……。 

コメント
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