去年、アカシアの天ぷらを食べそこなって、娘が不機嫌だった。
アカシアは追分のどこにでもあるが、どれが蜜が入って美味しいか、未だに分からない。
初心に戻って、駅近くの線路わきの木から失敬してきた。
香りを嗅いだら、甘い香りがした。高さが2m以内なら、問題なく手が届く。
ところで「アカシア」と言っているのは、「ニセアカシア」で、この名前は気に入らない。ハリエンジュの方が語感がいい。
揚げている時、ほのかな蜜の香りが充満した。とてもさわやかな香りだ。若い木を選んで、正解だったかも知れない。
味も、くどくない甘さだった。タレの塩分と良く合う甘さだ。
ご飯のおかずとしては、やや物足りないので、つい辛いものに手が行く。
きょうは食後のデザートは要らない。
呼吸をしても歯を磨いても、甘い香りが戻って来る。
家中が甘い。
過疎化が進めば、アカシアの木に困ることはないし、
我が家の伝統が絶えることもない。