NHKの邪魔が入って、伝えたと思っていた所が抜けていました。ハイ、どうぞ。
「生きている人間」と「集合的魂」の関係は、「ケータイ」と「サーバー」に例えることができます。このケータイが一個の人間とします。これが考えたこと、メールしたこと、会話したこと、それらはすべて電磁波となってサーバーへ転送されます。だからサーバーの中にはこのケータイと同じ人格が存在します。ケータイとサーバーは同時に進化し個性を存続します。何かの拍子にケータイが壊れると、二つを結んでいた電磁波は止まり、ケータイのパーソナリティは消滅します。しかしサーバーには依然としてその人のパーソナリティが存在します。
「この世」と「あの世」が無線通信で結ばれていること。「あの世」イコール「集合的魂」(心的現象圏という表現もある)の場であること。誰もがDNAの中に通信装置を持っていること。だからテレパシーなるものは全員が可能なのです。ただし、彼らが言うには個人対個人の直接の通信ではなくて「集合的魂」経由で全員に同じものが配信されているらしいです。意識のレベルでこれに接触することは凡人にはできません。
我々は夢を見ます。人に語り聞かせたいくらい印象に残る夢もございます。私はひょっとすると夢の世界がこの「心的現象圏」なのではないかと思うことがあります。時間の観念がなく、死んだ人も生きてる人も平等に夢に現れますし、若返ることも可能です。昔の風景も鮮明に繰り返し現れます。この時間のない世界、時間を包括する世界は例えば机の上にひもに繋がれたハエがいるとします。これを時間を追って連続撮影すると黒い円が現れるでしょう。3次元だと黒い球になるかもしれません。これがハエのほんとの姿です。「心的現象圏」では人間の一生はこのハエのようなものなのです。ある時間で輪切りにした断面が、普段我々が目にする人間です。
自閉症の天才児と呼ばれるスティーブン・ウィルトシャー君。風景を頭のフィルムに焼き付けることのできる人です。彼は普通の人ができない記憶庫に意識的に接触できる能力を持っているのでしょう。彼の場合、記憶の定着に睡眠が欠かせないそうです。ということは人間は寝ている間にその日の出来事を記録した原子群が定着するのになんらかの作業が必要だということを意味しているのでしょうか。その作業が「心的現象圏」との通信で、夢というのはその通信作業の、ニューロンネットワーク上の印象だとしたらおもしろいことになるんですけど。