きのうの夕方、初めて除雪車が入った。ここは周囲に比べて優先度が低かったのだろう。積雪量で今季20cmまでいったことは、なかったかも知れない。だから別に来てもらわなくてもいいのだが、それはなぜかと言うと、除雪車の都合で住民が後処理に追われるからだ。最近はバケット式のそっくり持っていくタイプが増えたが、それ以前は家の前に雪だるまをゴロゴロ置いていかれるので、それをすぐ処理しないと大変なことになるのだ。固まらないうちに解体処理しないと「岩」になってしまうからだ。こんなのに間違って車体を擦ったら確実に傷が付く。真夜中でも朝早くでも、とにかく除雪車が去るとすぐに外に出て作業しなければならなかった。今はそうでもないが、こんなかわいそうな家もある。
雪はどうせ解けるんだから、これに数十億も掛けるのは無駄以外の何物でもない、とずっと思っていた。しかしある時スナックの常連が除雪関係の仕事をしていることが分かった。仮に三上さんとしよう。雪が降ると、三上さんは忙しくなるが、その分、稼ぎがあるのでオレとしては、それはいいことだ、と思うようになった。
同時に、除雪したあとの道路というのは、かえって歩行者には迷惑な場合もある。きのうがそうだ。テクニックとして道路が見えるまで「はだける」のは危険だ。だからうっすら残して普通は除雪する。車が通った「わだち」は固く締まっていて、カチンカチンの滑る面が残る。足が空回りして進まない。この黒い道路も、気温が下がると「ブラックバーン」となる。
大概雪国の人は4WDに乗っているから、無理に除雪しなくてもいい気がする。20cmくらいなら支障ない。轍(わだち)のとおり進めばいい。初めて今、4WDに乗っているので「オレ的には」ザックザック言わせて帰ってきて車庫入りするのが楽しい。