こないだネットニュースで、ガソリン半タンで省エネみたいなコラムを見たが、今の時期それはないだろう、と思った。北国では雪道は後ろを重くして走るのが常識だ。ガソリンは勿論満タン。そのほかトランクに砂袋を入れている人もいる。車の前部はエンジンの重さで踏ん張れるが後ろは軽い。だから何かしらバランスを取る必要がある。軽自動車がクルッと回転して後ろ向きになるのを良く見たものだ。ホイールベースが短い上に、後ろを軽くしていると、見事に回ってしまう。そういうドライバーは瞬時にカウンターを当てることもできない。だから雪国の人間はトランクに脱出用のジャッキや毛布やシャベルや非常食まで積んでいる。みんなそうとも限らないが、自分は誰も通らない大潟村の農道を能代まで通った経験から、いろんなことを学んだ。
夏場の省エネ運転に関してもプロですよ、私は。半タンどころかゼロのラインの下、どこまで走れるか、チキンレースみたいな運転をして通勤したこともある。燃費が上がることは間違いない。その結果、針がかなり下まで大丈夫なことが分かった。ゼロを指してから50kmは楽に走れる。そこまでいうなら車体を軽くするために、要らない座席を外しましょう、なんて書いたこともある。はるか向こうの信号が赤に変わるのが分かっているから、惰性でトロトロ走る。すると後ろに付けた車は、次から次と割り込んで来る。おー、オレの前に入ったな。スタートダッシュできるんだろうな、とピターッとくっついて後ろから煽る。たまにエンジン全開にしないと、ストレスが溜まって省エネ運転も楽じゃない。40k近辺で長く走っていると、いつまでもギアが「サード」のままでトップに上がらない時がある。その時は、ポンとアクセルを踏む。そうやって早くトップに持って行きエンジン回転を下げる。いろんなプロの技があるが、今の人は気の毒に思う。ダートを走った経験がない。生まれた時から舗装道路だ。だから車体の姿勢が変わった時にハンドルをどうすればいいか、経験から分からない。石ころ道の誰もいない広めのワインディングロードなんか最高に楽しいですよ。自分はそういう道で、カウンターを当てる、というワザを磨きました。レーサーが良く使う「ヒール・アンド・トゥ」もできるまでになりましたよ。普通のオートマ車でね。以上単なる自慢話でした。
しかし今は、家族がどれだけ怖い思いで自分の運転する車に乗っていたか、ぞっとするほど想像できるので、心を平静に保ちつつ安全運転を、なるべくするように、一人の時も、心がけてはおります。何しろそのせいで、長男は未だ高速道路を走ることができないのですから。