とくダネが、北海道にレポーターを送ってまで中継した「吹雪」の議論が面白かった。
(冬将軍様ご到着前)
しきりにホワイトアウトという言葉を誰もが使うのだが、誰か女性キャスターが「前が見えなくなる」という表現をしたら小倉が、前どころか後ろも横も見えないんだ、と強調していた。そのとおりだ。彼は秋田の生まれだが北海道も良くドライブするらしい。おそらくイメージは、道産子に負けないのだろう。私は北海道をドライブしたことはないから、大きなことは言えない。
しかしある厳冬の時期に、秋田市の県庁へ向かうメイン道路の通称「臨海」で信号が見えない程の吹雪に出会った事がある。時折見える信号が、赤に変わったのでようやくのことで信号手前で止まることができた。すると後ろの車が突っこんで来て、オカマを掘られた。ブレーキを踏んだが、間に合わなかったらしい。そのドライバーは女で、オレより年上に見えた。ちょうどガソリンスタンドがすぐだったので、そこへ移動して車をあらためていると、開口一番「何ともないでしょ」ときた。相当手馴れているか、しょっちゅう事故っている女なんだろう。オレの車はマツダのハードトップでしかも真っ赤で、白い車に比べたら識別が段違いに見分けやすいはずだった。当時のマツダ車は国産車では丈夫な方だった。おかげでどこも凹んだあとはなかった。だから名刺をもらって別れた。
(冬将軍様、ご到着)
お互い家が近いことが分かったからか、会議の時間が気になったのか、オレには油断があった。その後、かなり経過してからある雨の日、トランクを閉めているのに雨漏れしている事が分かった。車体の骨組みは丈夫だったが、フレームがわずかにズレていたのだ。
予期しない追突では、頭が振られて軽い脳震とう状態になり「ボーッ」とした状態になることがある。自分では正気だと思っていても、そうでないことがある。そんな状態と自分の甘さを思い知らされ、その女のことは忘れることにした。そういう風にいろんなことが起きるから、冬道は好きだ。特にスキルが要求される吹雪の日は大好きだ。
(冬将軍様奮闘中)