棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

画龍点睛

2017-05-13 09:06:39 | 山郷の暮し
夜明けから雨が降っています。
これはありがたい雨で乾ききった畑地が潤い、一気に播種した芽吹きが始まることでしょう。

花の谷は桜から濃い色の花桃へと移り、それも燃えるような緋色の勢いが薄れ、山吹の黄色が目立ってきた。
点々と様々な色が観られますが、なんといっても変化にとんだ新緑の広がりでしょう。
朝一の散歩ではみずみずしいパステルカラーに見入ってしまう。
又 夕刻の深く沈み行く緑に光の魔術に驚かされる。

ただいま制作をしている作品は、移り行く花の光景をそのまま表そうとしているのですが難しい。
「自然光の表現」と言えば、印象派の名画を思い浮かべることが出来ることと思いますが、その技巧の巧妙さに改めて感嘆してしまう。
技巧を取り入れようとすればするほど、とても及ばないと承知し、
あげくは「過去の作風でオレのものではない」と己に納得させている。
自問自答しながらの仕事です。

昨日「今できるのはこれまでだ」と感じた一瞬が訪れた。
ソレは、朝一の散歩のおり下から我が家を見れば、葉桜の中にポツンと明るい点がある。
??と思ったが、昨夜 外の宴会テーブルでの晩酌時の裸電気をつけっぱなしだったのだ。
作品の中でこの宴会テーブルは皆で飲んだ物語ずけをしているのだが、電球は描いてなかった。
アトリエに入り、描きこむ。
周りとのバランスをととのえている瞬間に「これまでだ」と。
正に「画竜点睛・がりょう」であった。

多少の疲れもありひとまずお休みとした。
これはよくある私の制作ペースで、間をとることによって改めて見直すのです。

頭の部分にわずかに木漏れ陽を受けた私。


ryusun

つぶやき

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子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本