棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

30-森の危機--森へ帰ろうⅡ

2008-06-08 07:29:29 | 大人の童話

村は大騒ぎになってしまいました。
開発に反対する人も、賛成をしていた人たちも集まりました。
オバアチャン・お母さん・おばさんたちは、大声で泣き出してしいました。
おじさんたちは、緊張した顔で狩りの仕度をはじめたのです。
僕の村ばかりでなく、遠くの村からもあつまってきました。

「ご先祖から受け継がれたオイラたちの魂は、此れからどこへ行ったらいいんだ。
ワシラは、息子たちにオレの魂を守ってくれといえるのか!
森の神様がいてこそ、ワシラだったんだ。もうーじっとしてはいられない」
おじさんが、山刀をグット握り締め、怒鳴るようにいいました。
「町の暮らしは、穴の開いた船のようなもんだ。
その穴を、金で埋めなければ浮かんでいられない。
便利だということが幸せなことか?
俺たちは森から離れてはいけない。皆で協力しあって暮していくのが、一番良いのだ」
お父さんが言いました。



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