徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

朝青龍の「毀誉褒貶」に思う

2007-08-10 06:00:00 | 寸評

 横綱朝青龍が苦悶(?)して、赤子のように泣いている。
 仮病であれ、何であれ、ちょっとした身勝手な行動が、今回のような事態にまで発展してしまった。
 「日本武道」をどこまで分っているのだろうか。
 柔道でも剣道でも、武道の精神にのっとって、礼儀正しい作法があって、試合をし、勝負する。
 相撲は、強ければ、それでいいのか。
 今回の相撲協会の処分は、当然のことと思える。
 朝青龍は、以前から、横綱としての品格にいろいろと問題があった。
 あるまじき言動も多々あった。
 土俵では、ぷいと感情むきだしになって、自分が勝っているのに、相手を痛めつけんばかりに手を出し
 たりする。
 制限時間になって、塩を取るとき、左腕をしならせて、回しをたたく。
 相撲の王者が、これである。モンゴルの相撲はこうなのだろうか。

 「礼に始まり、礼に終わる」日本武道の精神が、どこかですすり泣いている・・・。
 彼は、日本文化の伝統を知っているのか、いないのか。
 誰も教えないのか、学ばないのか。
 そして、それでいいのか。
 一人横綱を、三年半もつとめた「英雄」が、土俵を湧かせていたことは、十分納得できる。
 ところが、今度のことで、心の中の驕りというか、それ以前に精神的にあまりにも未熟で幼いことが、は
 からずも露呈した。
 だからといって、「王者」にいたずらな同情は禁物だろう。
 このぐらいのことは、跳ね除けてゆくくらいの堂々とした横綱であってほしい。

 二十六歳の若者といえば、誰であろうと、人間として未熟なのはあたりまえだ。
 その「お山の大将」が男泣きしている。
 「心・技・体」とか「横綱の品格」とか言ったとて、それをいまの彼に求めるのは酷である。
 何かあれば泣いたり喚いたり、要するに、まだまだやんちゃ坊やではないか。
 でも、「横綱」は、少なくとも「横綱」らしく、心身共に強くあらねばならない。
 相撲部屋というところは、相撲の取り組み方だけしか教えないのだろうか。
 お相撲さんの師弟関係って、どうなっているんだろう?
 
 或る人は、朝青龍を大相撲の宝だと言う。
 しかし、これはちょっと別のはなしだが、ついこの間まで、大新聞こそ小さくしか報じなかったが、或る
 雑誌が、彼のきなくさい八百長事件を数回にわたってキャンペーンをはり、その記事の真偽をめぐって
 今裁判で係争中だ。
 これもまた、聞き捨てに出来ない話である。
 全勝を果たすために、他の力士(一部?)から、星を金で買ったと言われる、あの話だ。
 取材陣は、多くの疑惑にかかわる証言と写真などに自身を持っていると言い、相撲協会側は、事実無
 根だと反論に躍起となっていて、真相はいまだ闇の中である・・・。
 本当のところどうなのだろう。
 火の無いところに煙が立つのだろうか。

 それはともかくとして、朝青龍の強さは誰もが認めるところだ。
 しかし、いま人間横綱の、精神的な強靭さこそ必要だ。
 朝青龍に対して、年内本場所の出場停止処分が決まった以上、処分は処分として、それに沿った、本
 人の意思も十分考慮した上での対策こそが望まれる。
 彼の母親は、日ごろ息子にこう言っているそうだ。
  「その国の水を飲んだら、その国の習慣に従うのだよ」
 彼は、精神状態が不安定のさなかで、
  「俺は、おふくろの料理が食べたい」と、しきりに周辺にもらしている。
 
 朝青龍は、その勝負強さと裏腹に、精神的なあまりにも弱さ、脆さを、「急性ストレス障害」「神経衰弱」
 とか「鬱病」の一歩手前だとか言われているけれど、この際、自身の身の振り方も含め、異論もあろう
 が、一度祖国へ帰って、ゆっくりしてはどうなのだろう。
 処分を下したあとの、協会側の対応がぎくしゃくしてすっきりしないし、師匠の高砂親方もただあたふた
 するばかりで見苦しい。
 本人が嫌だと言っているのに、無理に入院させようとしたり・・・。
 協会側も、帰国なら即「引退」だとは、またずいぶんと飛躍しすぎでは・・・。
 相撲協会というところは、どうも、理知的に物事を判断出来る人が少ないように思えてならない。
 ともあれ、相撲協会には、大相撲の真の人気は勿論のこと、協会自体の格式、品格をも取り戻して、
 今後も日本の国技について、節度ある対応を求めていきたいものです。

 横綱朝青龍よ、何処へ行く・・・?

 

 


 
 
 
 


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2 コメント

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横綱 (茶柱)
2007-08-09 18:38:42
モンゴル人だからと叩くのは簡単。
横綱だからと許すのも簡単・・・。でもそれで「解決」になるかっていうと疑問ですよね・・・。
如何に強いとはいえ、まだまだ20代の若者。
風格に不足があったとしてもおかしくない年齢。でも、その「風格に問題のある横綱」に日本人力士が「手も足も出ない」のもまた事実。

そして相撲界の「大人の代表相撲協会」では、決して「大人の対応」をしているとはいえない・・・。もうちょっと「大人こそがどうあるべきか」を考えなくてはいけないのかなぁ・・・、とか愚考する次第。
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そう思います (Julien)
2007-08-09 19:20:55
コメント有難うございます。
日本相撲協会って本当に何なんでしょうね。そして、いまひとつ良く分からないのですが、部屋の親方とか、一体毎日何をしているのでしょうか・・・。
日本の力士は、いつからこんなに弱くなってしまったのでしょうか。
外国人力士のほうが強いということでしょうか。
そうだとすれば、いかにも情けない話です。
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