徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

東京五輪招致失敗―責任を明らかに!―

2009-10-06 17:00:00 | 雑感

五輪招致のために使ったお金は、どうも150億円どころではなさそうだ。
これは氷山の一角で、実際はそんなものではすまないらしい。
いろいろあるけれど、たとえば五輪招致を目的とした、度重なる豪華な海外旅行だが、これがすごい。
イギリス、スイス、シンガポール、ドイツ、中国と、06年6月から今年の4月のIOC視察まで、延べ60人以上で、飛行機はチャーター機かファーストクラス、宿泊は超一流クラスで、一人あたり100万円から460万円というから、推して知るべしである。
あれやこれやで、一事が万事、ドンブリ勘定だから、当初55億円だった招致経費は150億円にまで膨らんだ。

これだけで、驚くのは早い。
臨海副都心にある、31ヘクタールの選手村予定地の造成には、750億円もかかっているし、五輪招致前提で東京の大規模再開発が進んでいる。
こちらは、もう兆単位のプロジェクトだといわれる。
外環道路などを入れると、総事業費は8兆円だそうだ。
五輪が失敗して、いまさら大規模開発もへったくれもない。

いま、使ったお金はどれだけになるか、税金の使い道の細かいチェックが始まっている。
都知事自身、「都民に明らかにすることが、最低限の責任だ」と言っているが、当然のことだ。
一昨年3月、三選を図る都知事選のマニフェスト発表の席で、石原都知事は、「落選したら、その時の責任は取らなければならないでしょうな」と述べていたが、それでは、招致運動の責任の行方は一体どうなるのか。

しかも、一部報道によれば、東京都の自己PRのことごとくがウソだったらしいし、身内だけのネット調査で、世論調査では非常に高い支持率を得たなんて言いふらしていたのだ。
そんなことが、IOCのメンバーにわからないとでも思っていたのだろうか。
招致活動の中心にいたのは、広告代理店やテレビ局のようで、特番やCMをはじめとして、招致盛り上げのために3年間で95億円もの大金を投じ、この金がテレビに流れたというではないか。
このうち3分の2が税金なのだ。
つまり、都知事のパフォーマンス(?)の片棒をかついで、じゃんじゃんCMを垂れ流したテレビ局がまんまと儲けたのだ。

とにかく、招致失敗については、見苦しい言い訳ばかりが目立っている。
都知事は、帰国したその足で、お礼と称して鳩山総理の自宅を訪れ、あたかも総理と自分の‘連帯責任’を演出しているかのように映る。
やっぱり、都議会での民主党の口撃を恐れているのか。

いまもくすぶり続けている鳩山献金問題について、総選挙のとき、「完全に、これはサギではないか」と口汚くののしっておきながら、おのれの損得となると別人のように豹変する。
どうなっているのか。
何だか、さもしいというか、いやらしさまで目についてやりきれない。

無責任が、一番よくないことだ。
「金返せ!!」コールさえ起きている。
すぐ、他人に責任転嫁するのもどうか。
東京五輪招致のこの一件、いたらなかったのであれば、自分の能力不足を認めて、もっと潔くできないものだろうか。
しかるべき、責任の取り方もあるのではないか。