徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

消えた150億円―東京オリンピック招致落選!―

2009-10-04 10:00:00 | 雑感

予想通りだった。
五輪招致で、東京はあっけなく敗れた。
招致を期待していた人たちには、残念な結果だった。
2016年の開催国は、ブラジルのリオデジャネイロに決定した。
南半球では初めてだというから、これはこれでよかったのではという気がする。
昨年北京で開催されたのに、7年後にまたアジアで開催というのはありえない話だったし、いまの東京はリオデジャネイロを圧倒するような話題にも乏しい。
選手村予定地の狭いことも、言われていた。
それに、この不況のさなかに、開催賛成を叫ぶ世論も支持率も低く、後押しが寂しかった。
審査会場での、リオのあのすごい熱気はどうだ。
とても、日本の比なんかではない。

内憂外患、難問山積のさなか、1泊3日のデンマーク行きに超多忙の鳩山総理まで担ぎ出した。
なにせ東京都は、これまで3年間も招致運動をやってきて、使われた税金が150億円である。
それが、あっという間に水の泡と消えてしまった。
ため息がもれる。
この、壮大なるムダ遣い(?!)に、損害賠償責任はないのだろうか。

石原都知事は、これで何を残したか。
150億円の中身を知って、驚くばかりだ。
内訳は、接待費、プロモーションビデオ、ノボリの広報活動費、招致委員会の旅費、それにプレゼン衣装1着30万円のスーツ50着などだ。
宿泊する高級ホテルは、1泊10万円するそうだ。
コペンハーゲンに行くだけでも、鳩山総理の分まで含めると、政府専用機の燃料代や整備費、クルーやSP政府関係者の宿泊費など、IOC総会の「応援ツアー」だけで総額1億円は下らないといわれている。
本当に、とんだ‘カネ食い虫’とは、よくいったものです。

公権力の上に立つと、個人的な事情や政治的な思惑があって、五輪招致にとことんこだわったのか。
新銀行東京の乱脈経営といい、築地市場の移転問題といい、都知事の失政が次々と明らかになっている。
オリンピックが成功すれば、歴史に名が残るからと、よこしまな計算が働いたのだろうか。
一体、誰のためのオリンピックを考えていたのか、だ。

今回の落選は、予想通りの落選だと、巷ではもっぱらだ。
政治の力学がどうとかこうとか、言い訳ばかり言っている。
負けは負け、敗者は敗者だ!おのれのいたらなさをこそ、知るべしではないのか。
唯我独尊・・・、何という見苦しさか。
いつも、この人はこうだ。
150億円は、返済されるのか。
これだけのお金があれば、保育所や託児所がどれだけできるか。
八ッ場ダムの問題が、建設中止と決まって、その負担金525億円を返せと言い出したのは、どこのどなたでしたか。
ドブに捨てたと見られている、150億円の損害を賠償する責任はないのだろうか。

鳩山総理のコペンハーゲン行きも、結局上手く利用されたのだ。
東京が落選したとして、都知事のおひざもと都庁では、職員たちがホッとしているという。
それもそのはずで、職員の9割までが、東京にオリンピックが来るわけもなく、来てほしくないと言っていたのだから。
それで、もし東京開催が決まったらどうなっただろうか。
凄まじい混乱が、待っていたのではないか。

五輪開催には、実に3100億円の予算が組まれていたそうだ。
都の財政だって、大変だ。
職員たちは、知事が2020年五輪に再チャレンジを言い出すのではないかと、ハラハラしているのだ。
もっとも、そのときには石原知事ではないだろうが・・・。

とにかく、個人の政治的な(?)野心に、巨額な税金がムダ遣いされてはかなわない。
知事は、「開催が東京でなくて、大変残念に思う」と言ったが、それで済まされる問題ではない。
このムダ遣いの責任と賠償問題、とことん追求していくことが必要だ。

・・・ところで別の話だが、横浜市の開国博Y150が先月閉幕して、入場者数が惨憺たる結果だった。
見込んでいた500万人に対して、入ったのはわずか4分の1の124万人だった。
中田前市長は、任期途中で辞職してしまったが、157億円もの総予算をかけながら、見込んでいた入場者収入も24億円では、トホホ・・・というわけだ。
前市長の謝罪の弁もなく、市議会では検証のため参考人招致を決めたが、当人は応ずる気配がない。
アトラクションなど内容に乏しく、すぐ見終わってしまうのに、2400円もの入場料はいかにも高すぎると言う声をいたるところで耳にした。
前市長を支えていた、副市長は責任を取って辞任したが、中田氏は説明責任を果たすべきではないだろうか。