昨日のNY株はゴールドマン・サックスのSECによる訴追問題をいや気して下落した。2007年のサブプライム問題の発生のとき、同社が関連商品をパッケージした証券化商品のショート(カラ売り)の便宜を与えたというもの。
相手のヘッジファンドはいまや世界最大手にのし上がったジョン・ポールソンの運用するファンドである。
SECはリスクのある商品を十分な説明もなく、ほかの顧客に販売したと判断した。
ゴールドマンの株価は-13%も暴落し、ほかの金融株にも影響がでた。
また金価格が23ドル安になったが、これもポールソンが金関連のヘッジファンドを運営しているので、信用問題からそのファンドの解約が出るのではという懸念が出た。
今週のNY株は月曜日に1万1000ドル台乗せを実現した。第1四半期の好調な決算を材料にして人気が盛り上がっていた。
そこへまさかの悪材料の伏兵が待ち受けていた。ダウ平均は1万1000ドル台を維持して引けたが、市場では“どこで調整してもおかしくない”という見方も出ていたところである。
今回の事件は専門家の間での取引である。相手はヨーロッパの銀行。それだけに素人を巻き込んだ取引でないにしても、世界最強の投資銀行がからんでいるところに問題がある。ゴールドマン・サックスはウォーレン・バフェットが、金融危機の時に資金を投じた金融機関でもある。
先行き問題の矛先はヘッジファンドにも向かう可能性がある。
日米とも株価は調整を必要としていただけに、短期的にはそのきっかけになりそうである。