足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

相場には思わぬ伏兵

2010-04-17 08:57:46 | 株式

昨日のNY株はゴールドマン・サックスのSECによる訴追問題をいや気して下落した。2007年のサブプライム問題の発生のとき、同社が関連商品をパッケージした証券化商品のショート(カラ売り)の便宜を与えたというもの。

相手のヘッジファンドはいまや世界最大手にのし上がったジョン・ポールソンの運用するファンドである。

SECはリスクのある商品を十分な説明もなく、ほかの顧客に販売したと判断した。

ゴールドマンの株価は-13%も暴落し、ほかの金融株にも影響がでた。

また金価格が23ドル安になったが、これもポールソンが金関連のヘッジファンドを運営しているので、信用問題からそのファンドの解約が出るのではという懸念が出た。

今週のNY株は月曜日に11000ドル台乗せを実現した。第1四半期の好調な決算を材料にして人気が盛り上がっていた。

そこへまさかの悪材料の伏兵が待ち受けていた。ダウ平均は11000ドル台を維持して引けたが、市場ではどこで調整してもおかしくないという見方も出ていたところである。

今回の事件は専門家の間での取引である。相手はヨーロッパの銀行。それだけに素人を巻き込んだ取引でないにしても、世界最強の投資銀行がからんでいるところに問題がある。ゴールドマン・サックスはウォーレン・バフェットが、金融危機の時に資金を投じた金融機関でもある。

先行き問題の矛先はヘッジファンドにも向かう可能性がある。

日米とも株価は調整を必要としていただけに、短期的にはそのきっかけになりそうである。