足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

過熱感の解消が進行

2010-04-24 08:00:22 | 株式

NY株は好決算を背景に好調な上昇相場が続く。NYダウ平均の週間でのパフォーマンスは8週間の上昇である。

昨日までの業績発表のうち83%が事前の予想を上回った。この数字は1993年以来である。3月の新築住宅の販売も26%も上昇した。47年ぶりの記録である。このように米国経済の力強い回復のデータが、このところ目白押しに出てくる。1年前の4月の状況とは様変わりである。時代の変化のスピードの速さには驚きのほかはない。

ウォール街ではアップルの話題が毎日、市場を賑わす。時価総額がエクソンに次いで第2位になったが、米国を代表する企業で構成されるダウ30銘柄への採用の声が出てきた。「いまやアップルの業績の上下への変動はなくなり、マイクロソフトをしのぐ成長企業になった」と位置づける投資家がふえてきた。

東京市場も相場の調整を見込んでいたが、短期間のうちに相場の過熱感は解消の方向に進んできた。一時は150まで過熱した騰落指数(25日移動平均)も今週は110台にまで下落してきた。

今週のような相場展開が続けば、過熱感の解消が知らず知らずに進みそうだ。

ジャスダック、マザーズなど新興市場の株価が強い。売買代金をともなって上がっていることが注目点である。個人の資金の流入が始まった証明でもある。相場の先行きを読むうえでは心強いシグナルである。


業績の増額修正が満載・・・日経新聞

2010-04-23 07:51:06 | 株式

来週から東京市場でも20103月期の決算発表が本格化する。ウォール街で連日、好調な決算が相場の材料になり、2月以来、上昇を続ける相場で押し目を期待する投資家に肩透かしを食らわせる。

昨日もNYダウ平均が一時は100ドル以上も安かったが、あと反発してプラスで引けた。「調整の始まり」を期待した投資家には失望を与える結果になった。

今回の決算の象徴的な決算はアップル(AAPL)だ。昨日も株価は上昇し時価総額がエクソンに次いで第2位に踊り出た。そんな企業の決算が利益+90%という驚異的な数字を出すのだから、米国の経営者のすごさがわかる。またハイテク企業の象徴的な成長の姿である。

本日の日経新聞は来るべき決算発表の増額修正のオンパレードだ。証券面でさばききれず、第1面から個々の業績の好調を伝える記事が満載である。東芝、古河電工など12社が証券面以外に伝えられ、証券面では10数社が顔を出す。

リーマンショックで不況に突入して以来ではこのような現象は初めてである。相場は金融相場の局面を抜け出し、業績相場に突入した。

今週は半導体株とその関連商社株に注目した。マクニカ(7631)に注目して以来、銘柄の幅を広げている。昨日もウォール街ではSOX指数(半導体関連)が高かった。


3次元(3D)のTV発売・・・大きなテーマの始まり

2010-04-22 08:13:14 | 株式

昨日、パナソニックが3次元(3DTVを発売した。50?型で店頭表示価格が428000円。

さっそく近くの量販店ノジマで観たが迫力があった。劇場で映画をみるときと同じで、眼鏡をかける。3Dに慣れてしまうと、これまでのTVの画面では満足できなくなるだろう。問題はTV価格で、少なくとも現在の半値になることが普及の条件だろう。

昨年末に映画「アバター」のヒットが映画興行成績の新記録を達成した。いまなお映画館でロングランの興業を続ける。

先週末から第2弾の3D映画「アリス・イン・ワンダーランド」が日本でも公開された。さっそく初日に観たがやはりすごかった。時間をわすれ、またたくまに終わった。主人公アリスが大冒険を終えて新世界に挑戦をはじめる。こんどどはビジネスの世界に身を投じるが、中国に向かうという映画の幕切れの場面には感激した。監督テイム・バートンは夢の世界だけではなく、ちゃんと現実を見据えている。

この映画も興行成績は好調で歴代9番目の記録で走りだした。さきに「トリトンスクエア通信」で紹介した米国での3D関連株IMAXの業績に好影響を与えるとして、ウォール街ではIMAX株が昨日は新高値をつけた。

映画の世界に1970年代後半のように、確実に革命の波が押し寄せてきた。今回はこの潮流がほかの映像の世界にまで広がっていくだろう。

年初来、任天堂(7974)に再注目はじめたが、6月の携帯型ゲーム機の「3DS」が新しいゲームの世界の扉を開くのは確実だ。目先の株価の動きにも注目できる。


ウオール街はゴールドマン問題をはねのける

2010-04-21 08:10:31 | 株式

ウォール街はゴールドマン問題を消化し、相場は好調な業績発表の方に関心が集中し、先週前半の強気人気を取り戻した。

ハイテク株がけん引役だ。

引け後、注目のアップル(AAPL)がアナリスト予想を大幅に上回る好決算を発表した。売上は+49%、利益は+90%と絶好調だ。EPSは$3.33でアナリスト予想の$2.46を超えた。

また「今年は数種類の新製品を出す予定」とジョブス会長が語ったことが、注目を引く。

いまや世界のどのハイテク企業も真似のできないすごい経営で、株価は引け後、一時は+8.3%も上昇した。こんな企業は日本ではまったく見られない。

これまでの米企業の第1四半期の業績発表は、全体の数字では売上+11%、利益+45%と、利益は事前の予想の+35%を大きく上回っている。

ウォール街は先週末のゴールドマン・サックスの問題をそっちのけにして、足元の企業業績の発表に関心を向ける。特にいままでの好調な数字はハイテク、金融から出てきている。米国が世界に誇る業界である。

昨年は企業業績の発表シーズン時の6月、10月と株価が売られ、今年の1月も相場の調整のきっかけになった。しかし今回は全く異なる。投資家は企業の回復に全幅の信頼を寄せ始めた。

それにしても米国企業と経済の弾力性については改めて敬服させられる。

東京市場も、昨日の円安とNY株高に反応するだろう。


ウォール街では金融株が落ち着く・・・エネルギー蓄積時にはいる

2010-04-20 07:59:11 | 株式

懸念された月曜日のNY市場であったが、問題のゴールドマン・サックスの株価は反騰した。銀行株指数(BKX)は+0.6%で落ち着いた。シティ(C)の決算を好感した。米国の銀行の不良債権の処理のスピードが速く、収益の回復にも目を見張るものがある。1990年代の日本の銀行の不良債権の処理とは大違いである。日本は13年後にやっと処理が動き出した。透明性のある決算では、不良債権の処理に市場が目を光らせる。

相場全体もダウ平均、S&P500がプラスで引けた。この日は注目のIBMの決算発表であったが、予想の上限の収益になったが、引け後の株価は小幅安になった。

相場全体の落ち着きに投資家はひと安心である。

ただ、これで相場のスピード調整が一服というのは甘い。23月の相場の調整時には日経平均は-9.6%下落したし、NYダウ平均は-7.7%であった。

待機資金の市場への参入を促進するのには調整に時間をかけた方がよい。

サンフランシスコで投資ニュース・レターを出すマイケル・マーフィーというストラティジストがいる。専門分野はハイテクであるが、昨年3月の相場の底入れも的確に読んだ。1980年代半ばに彼に会ったことがあるが、その後、ウォール街でも注目するフアンが増えている。

彼が最近のレポートで「相場の調整が次の相場のエネルギーの蓄積期間だ。その後は相場が急角度に上昇する」と、今回の相場の調整をゴールドマン問題の発生の直前に予見していた。

東京市場でも、次の反騰相場ではどの銘柄に注目するかに時間を費やす時期である。