NY株が暴落した。これまでダウ平均は8週間の連続上昇してきただけに、市場は調整を期待していた。今週の月曜日の米バロンズ誌の表紙にはブル(牛)が運転する自動車にベアー(熊)が正面衝突する挿絵が掲載された。
市場の心理状況を表すVIX(恐怖)指数が31%も急騰し22.81になった。2週間前には15.59まで低下していた。
VIX指数はことし2月上旬以来の数字に逆戻りした。
昨日の下落のきっかけはS&P社がギリシアの格付けを投資不適格に下げたことである。最近の相場の底流にある懸念材料であったが、この日はそれが表面化した。
しかし相場の調整の最大の材料は市場の過熱状況である。最近の米景気のファンダメンタルは好調だし、企業業績は事前の予想を大きく上回っている。
東京市場も昨日はファナック(6954)の決算のサプライズが調整場面を一転させたが、NY株の下落が調整のきっかけになるだろう。
銘柄によっては先週の高値から典型的な調整のコースを歩んでいた。もう一段の下落で買い場を提供するだろう。
今回の決算では、久しぶりに好材料にわれわれの時間が追いかけられるようになってきた。ここは決算分析をして銘柄の選択に時間を割きたい。
投資家はかねて買いチャンスを逃してきた銘柄の動きを注視すべき時である。