足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

オバマ人事が着実に・・・株価は好感

2008-11-22 17:40:53 | 株式

ウォール街は相変わらず変動率の大きい相場展開であったが、週末の相場は投資家に安心感を与えるプラスへの変動率であった。

きっかけは新財務長官にニューヨーク連銀のガイトナー総裁が選らばれるというニュースだ。

今回の金融危機ではポールソン財務長官、バーナンキ議長と並んでトロイカ方式で、危機打開に取り組んできた実績は世界の金融界から、その手腕は高く評価されている。

特にベアースターンズ、AIG救済には大きな役割を果たしたし、10月の金融安定化法の成立のための影の主役の一人であった。

ポールソン財務長官の信認も厚く、47歳という働き盛りのエネリギッシュな行動に株式市場も大きな期待を寄せる。

さすがに人材の層の厚い米国である。

来週の今ひとつの焦点はシティ・グループとビッグ3問題である。

シティについては先の金融法案の発動で問題が解決したとみられていたが、収益構造の改善という根本的な面での対策に不透明さがあった。株価が連日、大幅な下落をしてきたが、このまま放置すれば預金の流失が続き、問題がますます大きくなる。

今回の金融破綻のクライマックスは株価の下落であった。

シティの首脳が政策当局に「空売り」禁止策を要請したのは、株価の下落が破綻につながるからだ。

首脳陣が週明けまでに何らかの対策を出すか、他の金融機関との合併に踏み切るかが注目点。

ビッグ3については、週末、ウォーレン・バフェットが破産ではなく、政府による救済策を提唱した。

オバマ新大統領に影響力のあるバフェットだけに、すでに解決策が決まっているのか?

来週の株価を左右する大きな材料である。

土曜日、ガイスナー総裁の財務長官のニュースが流れたあと、オバマ新大統領は「早急に景気対策を出さなければならない。思い切った2年間の景気対策を立案する。放置していたら数百万人が職を失う。デフレが進行し、負債がさらに増える」と、選挙後、初めて景気対策に言及した。

株価のタイミングを見計らっていたような言動であった。