バフェットに動く気配がみられない。
米国では大手機関投資家や投信などが大口の売買をした場合には、売買の執行後にSECに報告する義務がある。
いまは3月末の4半期の売買の情報を届出る時期にはっている。
バフェットの経営するバークシア・ハザウェイの動向にウォール街は気にしている。
バフェットのフアンは3月末までの大口売買に大きな関心をもつ。3月末に新しく投資した銘柄のほか、これまで保有してきた株式の買い増し、売却の情報も申告の対象になる。
最近の保有株(3月末)が公開されたが、その増減からみて最近の動向ではいまはバフェットの立つ余地がないというメッセージが目立つ。
バフェットの言動を通して感じられるのは「慎重論を伝えたい」という気持ちである。
長年、バフェットの動向について注目してきたが、今回のように相場観については多くを語らいのはあまりなかった。素っ気ない最近の株主へのメッセージは彼にしては珍しい。
90歳を超える年齢になり、守りの運用姿勢に入った感じを受ける。
直近のメディアとの対談でも、かつてのバフェットの緊張感は伝わってこない。
ことしの総会はコロナウイルスで市場が騒然としている環境のなかで開催され、ことしはインターネットを通じての開催で事務的なバフェットの行動に終始した。
最近は空輸関連を売却し守りの姿勢にはいった。株主総会でもバフェットらしい言動は皆無に等しかった。長年にわたってバフェットが経営するバークシア・ハザウェイに投資してきた投資家のなかには、「バフェット時代の終焉は近い」と見る向きも散見される。