足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

NY株はまちまち・・・任天堂の見方

2016-10-22 09:00:15 | 投資戦略
NY株はダウ平均、S&P500は小幅安、ナスダック指数は小幅高。先般来の相場の方向感の欠如が続く。市場にのしかかるのは大統領選と米連銀の利上げである。後者は相場には織り込み済みである。
足元の関心は決算発表で、いまのところ基調については不透明だ。ダウ銘柄GEは不振であっあったが、マイクロソフト(MSFT)とマクドナルズ(MCD)は予想を上回った。

任天堂(7974)の株価が暴落し一時は-7.1%下落し引けは-6.5%で終わった。
発表当日(NY時間の午前10時)の株価は上昇したが、発表後の昨日は東京市場の暴落をみてウォール街でも大幅に下落し―5.8%で引けた。今回の情報公開は失敗であった。
日米とも投資家の共通した反応はわずか3分間の新製品紹介のビデオだけでは、的確に判断できないということだ。この点は会社の大きな失点で、今後は反省しなければならない。
新製品の情報公開からは「革新性が感じられない」という批判で、外でも楽しめるというのは「仕掛け」(gimmick/トリック・仕掛け)に過ぎないと手厳しい。
2011年6月にWiiUが発表のときも当時も株価はマイナス反応で5%下落した。
これまでの据置型のゲーム機器には家族で楽しむ魅力があったが、今回の新製品にはその魅力が欠如し「ミレニアル世代(14歳~34歳で8000万人)を対照にした新製品」と手厳しい評価だ。
価格は未定で、準備されているソフトも未公表であった。
ウォールストリート・ジャーナル紙は発表前の記事で「ユーザーとのコミュニケーションの重要性」を強調したが、今回も任天堂の情報公開の保守性が露呈されたのはマイナスであった。
新製品「ニンテンドースイッチ」のサードバーティのメンバーリストは公表され日本の有力開発企業のほか、海外ではアクティビジョン、エレクトロニック・アーツ、テイク・ツーなど一流企業の名前が公表された。
今後は先にアップルのスマホ向けゲームにマリオプレイを選択したような行動が経営陣に求められている。
日経新聞は新ゲームには「驚きがない」と書いたが、3分間のリリースでは驚きようがなかった。せっかくの故岩田社長の置き土産は大事に扱うことは新経営陣への市場の警鐘でもあった。
株価の暴落は今後の前向きの材料(アップルと提携)や、スマホでの大作第2弾、第3弾が発表され、今回のマイナス材料を織り込み、回復にはいるとみる。