今回の世界の株価の下落はウォール街に始まった。材料はオバマ政権の金融規制、中国の金融引締め、バーナンキ議長の再選問題である。NYダウ平均は5%下落した。それにつられて日経平均も6%下落した。
この材料のうちバーナンキ議長の再選は週末には上院で可決される見通しが確実になった。昨日も世界最大の債券投信を運用しているピムコのビル・グロスは「金融市場の先行きに改革の話が出ているが、こんなときこそバーナンキ議長は必要だ」と再選を強く後押しした。
NY株はここで調整を終えるのか、まだ不十分なのかがわれわれの最大の関心事だ。
「今回の調整はこれまでとは異なる。あと5~7%の下落が必要」という見方も出ている。
そんななかでドル相場の堅調なのが注目点。対円でみているとドル高は感じられないが、ドル相場を示すドル指数(DXY)が昨日は反騰した。先行き世界経済の動向が不透明ななかで、安全な通貨はドルという人気は根強い。
われわれの戦略は調整が進んでいるハイテク株の押し目買いである。個々の銘柄ではテクニカル面で過熱していたのが多かったが、調整が進んできた。
ここで頭に浮かぶのはウォーレン・バフェットの言葉だ。
“相場の予想は投票箱、ファンダメンタル分析は重量計”
重量計で判断して銘柄の選択ができる環境になってきた。