NY株が3月9日に底入れして、今週は11週目にはいったが、月曜日は先週末にもたげた慎重ムードを払拭した。
注目してきたVIX(不安)指数が30.24と20台突入寸前まで下落した。投資家の先行きのセンチメント指数でもあるが、不安感が少なくなると数字は低下する。昨日の安値は30まであった。
NY市場では住宅市場の底入れを示すニュースが出て、買い物が殺到した。VIX指数の30は昨年9月のリーマンブラザーズ破綻前の水準で、今回の金融危機のスタート直前まで下落した。
それに合わせるようにゴールドマン・サックス、モルガンスタンレー、JPモルガンが昨年10月に受けた公的資金の返済を公表した。3行で450億ドル(4兆3000億円)である。1部は株式に転換するワラントが含まれる。
ワラントの価格は大きく上昇している。ゴールドマンのワラントは転換価格の+61%、モルガンスタンレーは3倍だ。政府はわずか7ヵ月余で大きな利益を手中にした。ヘッジファンド顔負けの投資収益率である。
今回の金融危機で金融機関や投資家が天国と地獄を経験したが、米国政策当局のスピードのある行動にはあらためて敬服させられる。
東京市場では金融株が再び人気のリード役になるだろう。