注目のストレステスト(資産査定)の結果が日本時間の午前5時に発表になった。
大手19行のうち10行に資本増強の必要性が指摘された。最大はバンク・オブ・アメリカの339億ドル(3兆3000億円)で、続いてウェルズファーゴの137億ドル(1兆3700億ドル)だ。指摘された10行の必要額は750億ドル(7兆5000億円)である。
ガイトナー財務長官は「資本増強後には効率的で強固な金融システムが実現する」と語った。
バーナンキ連銀議長は「公表は投資家や世間に安心感を与える」とコメントした。
1990年代の日本の金融危機時との大きな違いは不良資産の額の公表である。これまで金融市場に疑心暗鬼が渦巻いてきた。それを払拭し透明性を図る。当時の日本では時間が経つにしたがって問題が大きくなっていたことが、外人投資家の売りの標的になった。当時、ヘッジファンドは「政府も銀行も発表する数字には全く信用がおけない」と、ショートを仕掛ける材料にした。
昨日は東京市場で金融株が相場を牽引した。大手メガバンクが大きく値を飛ばした。それだけに微調整が必要であるが、買いそびれた向きには押し目買いのチャンスだ。
米国では資産査定の公表後では銀行株が時間外取引で上がっている。ヒフス・サード・バンクコープ+23%、スティトストリート+8.4%、シティグループ+5.8%だ。
投資家の間には安心感が出てきた。