シカゴ取引所で売買されているVIX(不安)指数が昨日は20ポイントを一時割れた。
相場の先行きに不安心理が高まるとVIX指数は上昇し、逆に先行きに安心感のセンチメントが広がるとVIX指数は低下する。
最近はヘッジファンドや機関投資家が利用するようになり、彼らは手持ち株のヘッジの手段の一つとして利用している。
われわれがこの指数の存在を知ったのは2007年初めの米バロンズ誌の座談会で、スイスのヘッジファンドの運用者であるフェリックス。ズーロッフが紹介し、目先、注目する投資対象としてとり上げた。
VIX指数は3月から4月にかけて急騰した。中国株の暴落で世界の株価が大きく下落したときだ。
昨年は8月から9月にかけても急上昇した。サブプライム問題の表面化である。今年のピークは3月中旬の32.24ポイントでベアースターンズ問題の出たときだ。
しばらくして、下落トレンドをたどってきたが、昨日は19ポイント台に突入した。待望の20ポイント割れである。
ウォール街では第1四半期の決算発表中であるが、金融株をはじめ悪材料が発表されても、逆に買われることが多くなってきた。
連銀FOMCでは30日に政策決定を行うが、いまのところ0.25%下げの確率が80%以上で、一時、支配的であった0.5%の可能性は消えた。
このことも先行きに対してのセンチメントの好転を意味している。
いまひとつユーロ・ドルに頭打ち感が出てきた。中央銀行の利下げの声が出てきたからである。当然、円安にもつながる。
投資戦略の目先のパラダイムに微妙な変化が出てきた。