「相場の底をつかむのは、天井をつかむよりやさしい」というのはシカゴのスティ・ニコラス(株式コンサルタント)である。
彼はさきごろ米バロンズ誌に登場し「ダウ平均1万8000ドル~2万ドルへの備えはできたか?」と強調した。
彼は長年、証券会社で実践に携わり、現在は機関投資家向けにアドバイスをする。
「現在の相場は1987年のブラック・マンディの暴落時よりも、もっと異常な時期だ。
連銀が前例のない流動性の供給を行い、典型的な底値形成のパターンにはいった。
金融市場がパニック状況になれば、過去の例にもあるように投資のチャンスである。
MMFの残高は3兆4500億ドル(345兆円)と、2003年3月の底値のときの2兆2000億ドル(220兆円)超えた。
また個人投資家の弱気比率は1990年以来の高水準になった」(先週末は1万2600ドル)。
ニコラスは市場での流動性の高水準に注目する。
流動性といえばヘッジファンドの現金比率も高水準である。株式で運用する伝統的なヘッジファンドの現金は900億ドルになった。この数字もこれまで見られない高水準である。
2004年にもヘッジファンドの資金が大きく積みあがったときがあったが、当時は相場環境の不透明なときで、その後、相場は大きく上昇した。
最近の相場の動きはニコラスの予測どおりの展開になっている。
新興市場が出遅れてきた。携帯電話関連のアクロディア(3823・マ)に注目。