日米とも市場の先行きに対してのセンチメントに落ち着きが出てきた。
「トリトンスクエア通信」でしばしば注目するシカゴのオプション取引所のVIX(Volatility Index)指数というのがある。市場の先行きに対する不安の度合いを表す指数で、私は不安指数と呼んでいる。
指数が上がれば不安度が増すことを意味しており、相場は下落トレンドをたどる。一方、指数が下がると先行きに投資家が強気になることを反映しており、相場は上昇トレンドをたどる。
昨年来のNYダウ平均とこの指数の動きをみていると、指数が大きく上昇した時点は2007年8月(37.5ポイント)、20081月(37.5ポイント)、2008年3月(35ポイント)であった。
それが昨日は20.37ポイントまで下落した。市場のセンチメントから恐怖感が大きく後退した。
この数字が20ポイントを割って下に行くと相場には新しいラリー(強気相場)が始まったことが確認できる。
典型的な例は、昨年8月から10月でNYダウ平均が1万4000ドルと史上最高値をつけたときである。指数は急低下した。
今回もVIX指数が20ポイント割って10ポイント台で安定するかどうかが、相場の先を読むカギのひとつでる。
最近、ヘッジファンドが手持ち株のヘッジに指数の売買をする。
一方、東京市場にもVIX指数に似た指数がある。それは日経平均のオプション取引のIV指数である。相場の理論的な変動率を現す数値である。この指数も市場でのセンチメントが悪化すると上がる。
相場が崩れた3月17日には50.0まで上昇した。しかし昨日は29.5になった。20に接近すれば、新しい相場のラリーが始まるサインである。
日米とも明るい指標が出てきた。