テクニカル面からの底入れが確認できた。売買代金が3兆円台に乗せたのもセンチメントの変化を暗示している。4月1日以来のことだ。知らず知らずのうちにエネルギーが蓄積されていた。
問題は東京市場よりもウォール街がどうなるかにある。
意を強くするのは米大手証券メリルリンチのテクニカル・チームの目先の相場観の強気姿勢である。罫線だけから判断しているのではなく、さまざまなテクニカル指標から分析しダウ平均は12,400~12.600ドルのゾーンに入るとみる、史上最高値の11,722ドル(2000年1月14日)を抜くのは時間の問題とみている。同社のテクニカル分析は永年、ウォール街で良識派のアナリストとして活躍してきたファレルが築いた伝統がある。
センチメンタル指標、流動性指標、モメンタム指標が株価の追い風になっていると判断する。CBOE(シカゴ取引所)のプット・コール比率、個人投資家のセンチメント指数、ヘッジファンドのカラ売りとロング・ポジション(日本の証券会社では把握できない情報)などさまざまな指標を組み合わせての見通しである。日本のテクニカル・アナリストのように株価の予測に一定の条件をつけるというような「逃げ口上」をつけないのがいい。先週は株式市場に純資金流入もあったようだ。相場の水準をズバリ予測する。
夏相場を控えてNY株が上昇すれば、目先、東京市場にも強気できる支援材料になる。2006年3月期の好決算の銘柄から新しい投資銘柄を選べるタイミングにきた。