足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

決算発表下での投資戦略

2006-05-14 22:51:21 | 株式

2006年3月期の決算発表は31が発表し、いよいよ佳境にはいる。これまでのところ実績は予想を上回るところが多く、全体でも確実に予想を上回る増益率になる。しかし予想を上回っても株価に反応しないところが多い。これまで4期間、増益基調をたどってきただけに、市場には「予想を上回るのが当然」という人気が定着して、よほどの上方修正でないかぎり株価にはプラスの反応をしない。

20073月期も増益になり5期間の連続増益になることは間違いないが、企業の予想が比較的に慎重で4季報の予想を下回るところも散見される。先行きに不透明要因が出てきているからだ。米国景気の減速、日欧の金融引き締め、商品市況高によるインフレ懸念、円高などを経営者が気にして、比較的に慎重な態度で見通しを立てている。20063月期にトレンドが変わった代表格は海運であった。代表的な市況産業だがトレンドの変化が株価の下落のきっかけになり、発表時にショート(カラ売り)しても間に合った。今回は非鉄、石油、鉄鋼などが海運に続くトレンドの転換。45月の相場が、予想に反して不振であった大きな理由のひとつは決算発表に対する見込み外れであった。大手企業の発表は峠を越え、これから後半戦にはいる。特に中、小型,新興企業の発表が始まる。われわれの戦略は慎重な見通しに株価が過剰な反応をして下がった銘柄の、予想のウラを読む(予想の妥当性)ことである。容易な作業ではないが株式分析の原点である。