先週末のエマージング市場は中国の利上げにもかかわらず、懸念された市場の株価はむしろ上昇した。
ブラジル、メキシコ、中国、インド、マレーシア、ロシア、そして新興国ではないが資源国のカナダも上昇した。中国の金融政策の転換は「むしろ過熱懸念を和らげる」という方に受け止めた。
いまひとつ注目点は昨日も書いたように金相場が1日で$18も上昇し$658.20を記録したことである。+2.9%で1980年来の高値に進んだ。1ヵ月で+12%である。まるでエマージング国の株価の上昇のようだ。市場では「1ヵ月以内に$700に乗せる」とみる向きが出てきた。
目先の株価の動きで気になるのはウォール街の動きであるが、今週の米バロンズ誌は恒例の世界の投資家を対象に株価アンケートをとった記事を掲載した。「NYダウは12,000ドル台乗せ近い」というのが大勢を占めている。
貴金属相場への投資の代替としてアサヒブリテック(5855)に注目したい。金、銀、プラチナ、インジウムなど貴金属、希少金属のリサイクルの企業である。貴金属相場の上昇のほか、最近はインジウムが大きく収益に寄与するようになってきた。液晶、プラズマなどフラットパネルTV向けのインジウムの需給関係が急迫、相場が大きく上昇している。リサイクルからの供給が大きなカギとなってきた。希少金属に思わぬ光が当たってきた。
2006年3月期の業績は再度の増額修正(経常利益+66%)をしたが、製品の価格が上昇するならば2007年3月期も高い伸びの増益率が期待できる。