ZENZAIMU(全財務公式ブログ)

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とうとう「起翔転結」が枠内に収まりきらず。。。

2018-12-19 12:17:24 | 主張

中央本部溝口です。

お恥ずかしながらブログ当番を失念しており5日ぐらい遅れての投稿となります。

こんなだらしない教宣担当が本部事務室に四六時中座っている一方で、非専従でありながらブログ当番を守り切った山下中執にはこの場を借りて畏敬の念を表したいと思います。

それはさておき、このブログで、組合関連の話題を、、となると、専従の身なので日々の仕事を通じて、言いたいこと、書きたいことが積もりに積もってくるわけで、、、本日も長文となりますが、読みたい人だけ読んでください(そんな奇特な人はいるのだろうか。。いやいないはずだ。)。

テーマは、①機関紙「全財務」12/15日号のコラム「起翔転結」で触れた中途採用市場の流動化に関する論評の続編と、②青年学習会における本部役員からの講義の時間の使い方の改善およびその心、以上2本立てでいきたいと思います。

テーマ①のとおり、前号の「起翔転結」では、中途採用市場の流動化が実現すれば、労働者の移転の自由が確保されることで、より高い賃金を提示した会社に自然と人が集まるようになり、労使交渉よりもはるかに実効力のある賃金引き上げメカニズムが作用する、との提案を放言してみたところです。

東大の先生は、中途採用の拡大を経団連が音頭取って「せーの」でやればいいのに、、みたいなことをつぶやいておられましたが、中途採用市場の拡大には賃金引上げメカニズムが働くと仮定すると、使用者側から見れば人件費増につながりかねない協定みたいなものを経団連が主導してぶち上げるはずがない、と個人的には思います。

そこで、昨年、政府が賃上げ率3%を目標とするよう音頭を取ってくれたように、最近政府は携帯料金の引き下げを提案したりと市場経済への介入をはばからないようですし、中途採用の拡大もリードしてくれないものだろうか、と思う次第です。

以上ざっと、前号の起承転結の要約と補足で、ここからが枠内に収まりきらなった部分、書き足りなくて枠から溢れ出してしまった部分になりますが、中途採用市場の流動化には、前述の効果に加え、副次的な効果があると考えています。

先日NHKの平成特集で山一證券の破綻に至る一連のプロセス、損失隠しの実態が特集されていましたが、上意下達、社員は組織の上層部の顔色を伺うヒラメ、そう揶揄されるような組織風土も不正の一因となっていたようで、ウチの職場も少なからずそんなところがあるなと、個人的には感じています。新規採用に依存し、中途採用市場がまだまだ未成熟の現状において、一度入った職場で生き抜くためには、組織内部での評価がすべてであり、処世術としてヒラメ社員になるのは必然ではないだろうか。たとえ不本意であったとしても。

山一證券の破綻以降、平成の時代には、大企業の組織ぐるみの不正が数々報じられ世間を賑わせてきましたが、会社という檻の中で、組織の不正な意思に従わざるをえなかった人がどれだけいたかと思うと、我がことのようにやるせない思いがします。

中途採用市場を流動化することは、社員、職員個人に対し、組織という檻から自らを解放する自由を付与することにつながり、我々人間の、個人としての尊厳を守る上でも、これからの日本社会において必要なことだと私は思います。

テーマ②にいきます。

1年間の本部専従を通じて、各地本の青年学習会を回らせていただいてきましたが、どこの地本もだいたい1時間ぐらいの枠を設けてくれて、中央本部からの講義のようなものをやらせていただいています。

でも個人的にはずーっと違和感みたいなものを感じながら不完全燃焼を続けてきました。

僕自身、組合への信仰心が募って専従役員になったわけではないし、なんなら労働組合に対して少なからずネガティブな感情も抱いてますし、特に中央の活動に対しては閉塞感みたいなものを感じながら日々業務と向き合っています。本部役員としては不徳の致すところでありますが。こんな自分が地方に出向いて、組合の意義とかをお伝えするため、本部の活動、成果なんかをご報告させていただくわけですが、熱量が伝わらないんですよね。熱がそもそもないから。熱量がある人の話はそれはそれで、狂信者にカルト宗教の勧誘をされているような気にもなるし、熱量があってもなくても、どっちにせよ組合への結束を強める原動力にはなれないような気もしますが。

そんなモチベーションで1時間、用意した資料に目を落とし、ただひたすら虚空に言葉を放り投げてきて、聞く側には苦痛で退屈な時間を提供してきたことを恥じ入るばかりですが、前回東海の学習会では試しに本部講義にグループ・ワークを組み合わせてみたところ、自分としては凄い有意義な時間を過ごすことができました。

グループ・ワークに入る前段でまず20分ぐらいを限度に議論の材料となる情報提供をさせてもらって、グループにお題を出して議論してもらって、発表してもらって。。その発表内容を踏まえてコメントして。

発表の内容には、班内での議論で出た、組合員が日々疑問に思っていることや、不満に思っていることが詰まっています。

疑問や不満は、少なからず組合員が関心を持っている事柄なので、こうした関心事項に対してピンポイントで、疑問や不満に関する組合の取り組みの現状や、僕自身の考えを述べる、というキャッチボールが成立して、60分漫然と抑揚なく一方的に話し続けるより、よっぽど有意義な時間を提供できたんではないかと、ひそかに感じたところであります。

組合も社会も時代とともに変わりつつあります。

全財務は日本国憲法の制定を契機として発足して以降、統一戦線を模索する激動の時代を乗り越え、連合への結集という形で落ち着き、労働基本権等、公務労組を取り巻く情勢も、安倍政権の下、良くも悪くも、長きにわたる凪の時代を迎えています。

激動の時代には強力な指導力、統率力、求心力のある役員が求められたかもしれません。

強力なリーダーシップでフォロワーを引っ張っていく、そんな時代にはトップ・ダウン一方通行の演説講義が適していたかもしれません。

一方、今の時代はというと。。教育の現場ではアクティブ・ラーニングという手法が導入されつつあるように、我々世代は議論、対話を通じて合意形成する技術を身に付けてきました。裏返せば、納得することをとても大事にしている世代です。納得するまで行動には移さない。強権的で、手前勝手な意見には耳を貸さない。

そんな時代に求められる役員の立ち居振る舞いとは。。講義のスタイルとは。

僕なりのイメージとしては、伴走者としてのキリストを思い描いてます(教祖としてのキリストでも、宗教としてのキリスト教でもない)。変に仰々しくしたり、大物ぶったりするのは逆効果で、むしろ等身大で、率直に対話を重ねることが大事だと考えています。

話は少し逸れますが、先述のような教育環境下で育った新規採用者がどんどん入局してきつつある中で、組合加入に際しても、納得のいく説明が欲しいと思うのは当然といえます。

ぼく個人の考えでは、組合加入の段階で、万人に納得してもらえるようなクリアな説明をすることは難しいと思っています。

だからこそ最初にお願いしたいのは、一回情に流されて組合に入ってみてもらえませんか?と。(人間力が試されるお願いの仕方ではありますが。)

組合に入っていただいて、組合活動を通じて、イヤイヤながらも役員やってみたら組合って実は裏でしっかり機能してんだなとか、自分の知らなかった発見もあったりもします。

それでもやっぱ組合ヤダってなったら、何がイヤなのか、どうすれば納得のいく組合になるのか、組合員として納得いくまで議論すればいいと思うんです。

我々労働組合は、社会に存在する組織の中で最も民主主義の理念を体現した組織であると、フランスからやってきたPSIの書記長が講演で話してましたが、まさにそのとおりで、我々の組合は、我々組合員自らの議論によって、自分たちの組織の在り方を変えていけます。

だからこそ組合に入ってもらって、その上で納得いくまで議論を重ねて、対話を通じて、その時代時代にフィットした組織の変革の在り方を模索していきましょうよと。言いたい。

ちなみにですが、組合加入勧奨の際の説明マニュアルを作ってほしいという声があるのは重々承知していますが、こんな「最後は人間力頼みです」みたいなフワフワした結論を定式化する能力は持ち合わせていないので、僕の代では見送りたいと思います。

 


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