YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

観音水

2010-05-27 21:46:31 | 非常に個人的な昔話
観音水は、小さいときから当たり前の様にあったので、罰当たりな私にとっては、特別な思い入れも無い。日本の名水百選に選ばれて、今では一日500人もの人が訪れるとか、地元の老人クラブがシーズン中はそうめん流しをやっているとかの方がインパクトが強い。(こちらの西予市観光ページを下の方へスクロールしてみて下さい。一番下に出てくる。)

多分、観音水からの湧水を飲んで育ったのだと思うのですが、当時の上水設備の記憶がないので、これも定かではない。私の生まれた時には水道は通ってたが、うちの庭には井戸もあった。観音水は、うちからすると小さな尾根の向こう側だったので、イメージ的には、田んぼに来ている農業用水という感じだった。

あんな山のなかの、ただただ水が湧き出す洞窟が、子供に面白い訳も無く、訪れるのは8月10日のお祭り(というか、地元の人が集まって、食ったり飲んだりするだけ)の時くらいであった。午前中に周辺の掃除を行い、午後は宴会というのどかな集まりであった。子供にとっては、ちびっ子相撲大会があるくらいで、水は冷たいし、すぐに沢になるので泳ぐ事も出来ず、小学校の高学年の頃には、参加もしなくなっていたと思う。

観音水の由来についても聞いた様な気がするが、全く記憶にない。地元の人気スポットという事で、ブログ等で写真や情報も豊富なので、興味ある人はそちらで。私が知っていたのは、常に水温 14゜C 位で、一日の湧水量は 8,000 トンだそうだ。

印象に残っているのは、観音水の湧き出す洞窟から沢にかけて、赤い色の部分が多い岩が転がっていた。小さい時に、平家の落人の血が染まったものだと聞いた事がある。四国の田舎に多い平家の落人絡みの話のひとつではなかったかと思う。(観音水の記事やブログを読んでも、赤い石の事が出てこないのが不思議である)横溝正史の『八つ墓村』を読んだ時に、妙に恐怖感が現実的だったのを覚えている。映画では平家の落人たちが騙されて村人に殺される場面があるのだが、夜の観音水(といっても夜に行った事は無いのだが)で、斬られた落人から滴り落ちた血が岩に染み込んいく映像イメージを想像してしまう。

水が流れるのは、人にとって特別な感情を喚起するようだ。とめども無く流れ落ちる水量世界一を誇るナイヤガラの滝を裏のトンネルから見た時に、何故か爆笑するしか出来なかった事を思い出した。でも、観音水は、友達との我慢比べで、足の痺れる様な冷たさが感覚的な記憶としてあるくらいか。

行ってみたい様な、みたく無いような。でも、娘たちに一度は見せてやらねばなるめーち。



今回のエントリーはninokoさんのブログ『おでかけにっき』がキッカケとなった。数日前にエントリーした水神森を書いている途中で彼女のブログに辿り着き、宇和町明間 『桜並木』の水没記念碑の写真(それも裏側の)に亡くなった父の名前や、記憶もあやふやになったが口に出せば思い出す当時の近所の人々の名前を見つけてコメントした所、丁寧な回答をしていただいた。感謝感謝。

どうも出身地が近いそうだし、おでかけ先が懐かしい所ばかりなので、すっかりはまってしまった。

そんななかで、佐田岬の風力発電には、ビックリ、騒音公害もあるようだ。伊方町には原発もあり、今は風力発電と、国のエネルギー政策と弱小地方自治体の涙ぐましい産業誘致の挙げ句に、大変な事なっているようだ。

すっかり変わってしまった私の生まれ故郷の風景を(写真ではあるが)改めてみた事、「水没被害者同盟」の役員をしていた父、伊方の事などが去来してここ数日ちょっと感傷的になっている。懐古趣味や実体験に基づいた甘ったれた開発反対を唱える気は毛頭ないのだが、高度経済性成長や地方活性化という地元とは全く無関係な動機でドンチャカやった事の意味を、今、キチンと考えている人がいるのだろうか?(特に行政側に)

キナ臭くなってきたオバマ政権の周辺

2010-05-27 06:21:52 | アメリカ政治
先週のペンシルベニア州民主党上院議員候補を選ぶ予備選の結果でお伝えした。オバマ大統領が推していた現職の Arlen Specter が破れ、現在下院議員のである Joe Sestak が本選挙へ駒を進める事となった。

Arlen Specter は、上院で民主党に絶対過半数をもたらしただけに、オバマ政権としてもその功績(?)に報うべく、Joe Sestak に対して予備選不出馬を働きかけていた。今年2月のテレビンタビューで、ホワイトハウスから不出馬を決めれば政府高官にするとの提示があった事を明らかにしている。この時点では、特に大きな騒ぎにならなかったのであるが、予備選を勝ち抜いた事と、本人が予備選勝利後のインタビューで再び、2月の発言が間違っていない事を認めた事で、共和党から改めて、ホワイトハウスの政府高官提示についての調査を政府、議会に対して要請が出ている。

何らかの見返りに政府高官の職を与える事は禁じられており、もし、Joe Sestak が本当の事を言っているとすれば、大問題に発展しそうである。政府高官の提示をするという事は、当然、オバマ大統領の関与も考えられ、罷免の視野に入ってくる。

6月には、オバマが大統領に就任する事で空席となる上院議席を売り飛ばそうとした事で逮捕され、罷免された全イリノイ州知事 Rod Blagojevich (通称ブラゴ)の裁判が始まる。彼は、ヤケのヤンパチというか当然至極というか、オバマの証人喚問を申請している。(召還されるかは未定)又、首席補佐官である Rahm Emanuel(ラーム・エマニュエル)の関与も取りざたされている。尚、オバマはブラゴ逮捕時と就任後も FBI に事情聴取をされている。

オバマが大統領に当選するまでは、オバマは上院議員、エマニュエルは下院議員、ブラゴは州知事としてアメリカで一番政治的に腐敗しているといわれるシカゴ(イリノイ州)を本拠地に活動していた。Chicogo Way (Pay to play とも揶揄されている)と言われる、ギャング的な政治のやり方にどっぷり浸かってきているのかもしてない。

その上、シカゴにある ShoreBank をゴールドマンサックス主導で救済したのにも、政治的圧力が掛かったとの噂も出てきている。この銀行のマイクロ・ローンの宣伝にオバマが出ていたり、創業者の一人がクリントン政権やヒラリーの大統領選キャンペーンにかかわっていたり、オバマの上級アドバイザーの Valerie Jarrett が役員をしていたり、状況証拠は揃っている。

司法長官は、アリゾナ州の移民法を訴える準備に忙しいそうで、ホワイトハウス絡みの疑惑については直接調べる気はないと、何ともオバマの腰巾着の様な発言をしている。

ニクソンやクリントンのスキャンダルの時のように、個人的に大統領の身辺が騒がしくなると、当然、肝心の政権運営に支障がでる。オバマ自身が潔白と信じているのであれば、とっとと疑惑を晴らしてスッキリすれば良い。明日、10ヶ月ぶりにオバマ大統領の(特にトピックが決まって無くて質疑応答の出来るかたちでの)記者会見が行われるので、当然、Joe Sestak の件も質問されると思われる。その他どのような質問が出るか、どのような回答をするのかも楽しみだ。

ここまで、個人的な人気を背景にカモフラージュが効いていたが、オバマ自身や政権の化けの皮が剥がれつつあるので、起死回生を目指すのであろうが、無理だろう。結局、いつも通りべらべらしゃべって、記者や見ている人に深い失望感を与えて終わると思う。