YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

群馬的マーケッティング

2010-05-24 23:13:50 | アメリカ自動車業界
アメリカでスバルの販売が好調のようだ。スバル購入者はリピーターが多く、キャッシュ購入の割合も多く、やや特殊な購買層を形成している。

北米の販売が増えてくると、群馬辺りでは、スバルのブランドイメージが高くなり、Poorman's Audi から日本版 Audi になったと直ぐ勘違いするらしい。次に何が始まるかと言うと、顧客の忠誠心を過信して、Audi に対抗する価格の車を送り出す。そして、販売量減少という事になる。

スバルの人は、基本的になぜアメリカでスバルが売れるかを理解していない。ズバリ、安いから売れるのである。

スバル購入者のプロファイルは、高学歴でほどほど収入と言う層であり、典型的な購入者は、高校教師という事になる。つまり、購入額の上限が決まっており、それを超えると忠誠心はあろうとも、購買行動は関係なくなるのである。ニューイングランドなど、四駆が必要な地方もあるが、別にスバルを第一候補で考えている訳ではなく、四駆で比較的安いと言う選択肢なだけである。

四駆が必要でないと思われる、西部,南部でも売上げ伸びているらしい。宣伝も車(スバル)への愛をテーマにしている。機能ではなく、ブランド戦略に突入している。

段々と群馬の人々が同じ間違いを繰り返す要素は、増えて来ているようだ。

グリーンエネルギーの経済性

2010-05-24 05:56:07 | 経済の話題
環境問題にうるさいヨーロッパ(ユーロ圏)は、風力発電、太陽光発電の先進国(?)と考えられて来たが、ギリシャ混乱に伴う財政の見直しとユーロ安で、風向き、雲行きが怪しくなって来ている。

先ず、グリーンエネルギー開発への補助金が大きく削られて来ている。現状では、補助金無しでビジネスとして成立しないコスト構造であるので、立ち行かなく可能性がある。

ユーロ安は、非ユーロ圏からの投資の目減りを意味しており、既に投資された分については為替差損が発生している。ユーロ安で買い時とも言えるのだが、元々補助金無しで成立しないビジネスである以上、グリーンエネルギーの開発や普及が従来通り進むかに大きな疑問が出て来ている。

明るいニュースとしては、ユーロ圏からの輸出の拡大が見込めるのだが、輸出先(アメリカ、日本(?))でも今後補助金が削減される可能性があるので、ビジネスとしての将来性について、結局、同じ問題がつきまとう。

ヨーロッパと一絡げには出来ないのであるが、政府主導のビジネスの手腕は上手なものである。エアバスを世界で有数の航空機製造会社に実績もある。但し、政府に金が無くなった今、戦略的に政府が絡める大きなビジネスになる産業を見つけ出し,融資や補助金で育て上げる手法は、今後使えなくなるであろう。

ヨーロッパの国々は、アメリカを利用する事で巧みに儲けて来ていたが、アメリカにいろんな分野で席巻される事は、プライドが許さない印象がある。環境問題もヨーロッパでの始まりはやはく、10年以上も前に、飛行機部品を包装するのに藁をクッションに使うと言う狂ったとしか思えない様な事までやっていた。その流れでグリーンエネルギーも進んだのであろうが、経済性が伴う前に(採算が会う日が来ると言う大前提が正解としてだが)、瓦解しそうである。

政府が財政難になって、化石燃料のグリーンエネルギーへの転換がストップするというのは、天地が逆になったとしか思えない。20世紀は間違いなく「石油の世紀」であったが、21世紀も「石油の世紀 2.0」もしくは「化石燃料の世紀」であり続ける可能性は依然強い。

電力需要で考えても、核廃棄物処理に問題の有る原子力発電より、40年前から埋蔵量が30年と減らない石油や、数百年の埋蔵量のある石炭を燃やすの経済効率が良い。

ヨーロッパ政府のお金が枯渇した事で、グリーンエネルギーの本当の経済性(非経済性)があばかれる事は、悪くないと思う。