YS Journal アメリカからの雑感

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Nolan Ryan's Crusade

2010-05-22 00:49:00 | スポーツ
これ以上のタイトルは考えられない痛快なスポイラの記事であった。

豪速球は、ピッチングの醍醐味であろう。人類で初めて、100 Mile/Hour (時速160キロ)を超え、最高は104 Mile/Hour(時速166.4)の記録を持つノーラン・ライアンは、引退、現役を問わず一番好きな MLB のピッチャーである。

私がアメリカに来た20年前も、既に40歳を超えていたが、テキサス・レンジャーズで現役で投げており、何と7回目のノーヒット・ノーランを達成していたりしていた。大リーグの記録としては、324勝で、MLB 最多の5,714 奪三振だ。速球投手の常として、デッドボールも多かった。

ノーラン・ライアンのイメージとしていまでも鮮明なのは、デッドボールを当てられたバッターが突進してきたのを、ヘッドロックしてパンチしているやつであろう。(写真はこちら)(既に40歳を超えており、打者は20以上も若かった)豪速球を投げれる事に加えて、絵に描いた様な豪速球投手のメンタリティーを持っている事が、痺れる所である。風貌もテキサツのカウボーイ風なのもピッタリである。

現在は、テキサス・レンジャーズの共同オーナー/経営者であり、球団社長をしている。

「いまのピッチャーが、自分の時代と同じ球数を投げれないはずが無い」というのが信念で、アメリカで常識である100球リミットに疑問を投げかけている。闇雲な精神論では無く、先ず独特なピッチャー用のトレーニングで鍛え上げた上で、自分の体の調子を素直に耳を傾けろという方法である。これがまさに彼の聖戦である。

平均で200イニング、最高では332イニング、一試合の最高投球数が235という超人の言う事であるが、彼と同時代の投球数やイニングとしては、それほど特別なものではない。

ピッチャー用のトレーニングとしてテキサス・レンジャーズで実施されているものでユニークなものが二つある。ひとつはキャンプのときから必ずバッターを立ててピッチングをする。もうひとつは遠投であるが、70-100メートルの本当の遠投である。これも実際のピッチングに感覚的に近いというのが理由である。(普通は40メートル位)肩や腕がストレッチされて、疲労回復になるらしい。

結果も顕れて来ている。現在、アメリカンリーグ西地区でトップであり、先発投手の投球回数もリーグでトップクラスである。先発投手に、去年まで広島カープにいたコルビー・ルイスもいるし、アメリカンリーグ西地区は、イチローのいるマリナーズ、松井のいるエンジェルスがあるので、日本でも中継が多いと思う。

タイガースにも頑張って欲しいが、Nolan Ryan's Crusade にも注目である。