YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

宮里藍、LPGA今季3勝目

2010-05-03 20:47:54 | ゴルフ
宮里藍がメキシコで行われた Tres Marias Championship LPGA今季5戦目で3勝目をあげた。素晴らしい。石川遼の58と言い、日本プロゴルフ界にとっては、明るい週末であった。

一週間程前届いたアメリカの日経新聞のアンケートに答えて貰った日本版「ゴルフダイジェスト」5月号の巻頭に彼女のドライバーの正面からの連続写真が、父でコーチである宮里優の「ベタ褒めでコメント付き」で掲載されていた。一番良くなっているのは、トップでの右の壁との解説であるが、納得出来る様な出来ない様な。

彼女のスイングは、典型的な女性のスイング、つまり、女性独特の体の柔軟性があって出来ているスイングだと思う。LPGAでも、アジア系はこの手のスイングが多い。よって、男性、特に体の固い者にとっては、参考にならないスイングである。ゆっくりしたテンポの選手が多いのも、体の柔軟性があってこそ出来る。逆にアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ系の女子選手は男仕様なスイングを目指している感じである。(私の好きな諸見里しのぶはこっちの路線)

尊敬する後藤修大先生を始め、女性は教えないという指導者がいるのも当然の様な気がする。アマの男性は、飛距離が女子プロと同じくらいなので、参考にするべきといったアドバイスがあるが、コースマネージメントだけにしておいた方が無難そうである。

今更ながら思うのは、勝つゴルファーの重要条件は、精神力、ゴルフの才能、そしてスイングの順番だと思う。スイングが所謂プロレベルに達していなければ問題外だが、悪くてもプロレベルで固まっていればそれで良いという程度なのだろう。

YouTubeで、彼女の今年のスイングを探したらこれが見つかった。練習という事もあり、特にアイアンはテイクバックに無駄な動きが一杯あり、昨年よりも悪くなっていると思う。(無理に直そうとしていた所を元に戻した?)それでも勝っちゃう所がゴルフの奥深い所だと思う。技術的な問題では無く、精神的な問題だった気がする。昨年の優勝で、一皮むけたのだろう。段々体系もご立派になっていくのも心強い所だ。(おへその彫りが深くなった様な)後はメジャー制覇、頑張れ、藍チャン。


オバマ再選の再考 (第1回?)

2010-05-03 14:10:02 | アメリカ政治
オバマの再選については、就任間もない頃から考えていたが、改めて考えてみたい。この秋行われる中間選挙の両党の候補も決まっていない段階で、2012年の大統領選の事を考えるのは、時期尚早の感もあるが、後2年半も残っている任期中にオバマ大統領がどのような政治をするのか決定的な要因の1つであう。

まず、オバマの政治キャリア的に考えると、実は経験は浅く。イリノイ州の州上院議員を1997年より4期8年やっているが、任期途中の200年に、連邦下院議員の民主党候補者に名乗りを上げるも落選している。(州上院議員は継続)2003年に、今度は連邦上院議員を目指し、2004年に当選している。2004年の連邦上院議員の民主党候補者として、その年の大統領選の民主党候補を選定する党大会のスピーカーとして全国に名前が売れる事になる。2005年に上院議員になってからは、直ぐに民主党の大統領候補として名乗りを上げ、予備選、大統領選と勝利して、大統領となった。

政治家になってからは一目散に全国区を目指しており(もしくは全国区の政治家になる事を最初から目指していた)、もの凄い早さで大統領になっている。(オバマにとってラッキーな出来事が重なっている)

大統領が政治家としては上がりのポジションだけに、なったからには再選を目指すのは明白である。しかし、しゃにむに再選を目指すのと、再選が出来ないと予想して行動するのは、方向性が全然違う事になる。(私の独断だが、オバマは、今は権力の虜になっているが、本心では一期だけで上がって良いと考えている様な気がする。)

現時点での結論は、オバマの選挙対策スッタフは、しゃにむに再選を目指す方向での計画を立て始めた所だと思う。

オバマにとって一番の誤算は、健康保険改革法案が成立した事で、回復するとみられていた支持率が、ほぼ何の影響も無かった事であろう。全国的に大もめになっているアリゾナ州での移民法成立で、州知事の支持率が40%から65%にジャンプしたのとは好対照だ。支持率低下を受けて、中間選挙で共和党が躍進すれば身動きが取れなくなるので、失点を抑えて、取り敢えず再選を果たし、大統領選の年(2012年)の上院、下院選挙で議会の民主党勢力を取り戻して、2期目は怖いもの無しでやりたい放題というシナリオだろう。

今回の石油流出事故でのオバマ政権の対応が、このシナリオを物語っていると思う。今日、オバマ大統領自ら緊急の現地視察を行っているが、これはブッシュ前大統領の2005年ハリケーンカトリーナの対応の遅さと比較(というか同一視)されるのを、避けるためと考えられている。

事故発生後一週間以上も音無で、オバマ政権の反応は鈍かった。オフショアでの石油採掘を部分的に認めた (Drill, Bay, Drill) 直後であり、オバマ政権にとっては、最悪のタイミングであったバツの悪さは許すとしても、閣僚が今回の石油流失事故は、BPに全責任があると発言したりして、後手に回った事をあからさまにカバーアップする動きもある。(カトリーナの様な天災とは違うと際立たせようとしている)

再選に関して、オバマチームの戦略は素晴らしいものになるのであろうが、如何せん、オバマ自身が口を開けば、いつも通りの超リベラルな物言いとなるので、もし、民主党が議会を失えば、法案としては何も出来なくなる可能性がある。

アメリカ国民は既に、オバマの本性を見抜いているので、2012年に向けて上手い具合に経済が回復したとしても、何も無かった様にオバマを見捨てると思う。今後話題になる事は少ないと思うが、健康保険改革法も知らないうちに、廃案もしくは骨抜きになると思う。(民主党議員も少なからず、協力すると思う。オバマ大統領でさえ、法案成立の署名をした事で満足していると思う。)

金融改革法案、移民改革法案、炭素税といった大型法案の審議は、議員の公聴会でのスタンドプレーが有るくらいで、実質的な進展は無く、中間選挙待ちになる可能性が高いと思う。

そんな訳で、都度都度で、オバマの再選の事は考えていきたいと思っている。